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「岩屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

岩屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
今更のように、彼の眼を疑わずにはいられなかった。――そのまた向うには夜霧の中に、岩屋《いわや》の戸らしい一枚岩が、どっしりと聳えているのだった。 桶の上にのっ....
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
時々そっと羅生門へ姿を露《あら》わしたのではないであろうか? 酒顛童子も大江山の岩屋《いわや》に酒ばかり飲んでいたのは確かである。その女人《にょにん》を奪って行....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
表紙から、必ず古紫の糸で綴じてある本の装幀までが、彼には好ましく思われた。『静の岩屋』、『西籍概論』の筆記録から、三百部を限りとして絶版になった『毀誉相半ばする....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
なく雄大な気象が浮かんだ。 日ごろ忘れがたい先師の言葉として、篤胤の遺著『静の岩屋』の中に見つけて置いたものも、その時半蔵の胸に浮かんで来た。 「一切は神の心....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
は夢にさえ思い出す」以前の老人が云いつづけた。「笹の平! 宗介神社! 天狗の岩!岩屋の住居! 秋になると木の実が熟し、冬になると猪が捕れた。そうして春になると山....
死者の書」より 著者:折口信夫
なかった。明りに照し出されるほど、纏った現し身をも、持たぬ彼の人であった。 唯、岩屋の中に矗立した、立ち枯れの木に過ぎなかった。 おれの名は、誰も伝えるものがな....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
|条の光明が射し込んで来ると同時に、自分の置かれている所が、一つの大きな洞穴――岩屋の内部であることに気づきました。私は、少なからずびっくりしました。―― 『オ....
大江山」より 著者:楠山正雄
い山を越えて大江山のふもとに着きました。たまたまきこりに会えば道を聞き聞き、鬼の岩屋のあるという千丈ガ岳を一すじに目ざして、谷をわたり、峰を伝わって、奥へ奥へと....
田村将軍」より 著者:楠山正雄
の中に討ち死にしてしまいました。田村麻呂はこの勢いに乗って、達谷の窟という大きな岩屋の中にかくれている、高丸の仲間の悪路王という荒えびすをもついでに攻め殺してし....
家なき子」より 著者:楠山正雄
橋で、川はドルドーニュ川であった。 あれた町が一つ、そこには古いおほりもあり、岩屋もあり、塔もあった。修道院のあれたへいの中には、せみが雑木の中で、そこここに....
剣侠」より 著者:国枝史郎
ない思い出せない。……そうしてあそこはどこだったかしら? ……山に谷に森に林に、岩屋に盆地に沼に川に、そうして滝があったかもしれない。 大きなお屋敷もあったは....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
辺であろう。荘助の額蔵が処刑されようとした庚申塚の刑場も近く、信乃の母が滝の川の岩屋へ日参したという事蹟から考えても高等師範近所と判断するが当っているだろう。 ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
の女 寐て起きて目をこすりこすり、もう退屈がるのか。 そんなら聴け。この洞、この岩屋、この庵には、田舎に隠れた 恋中の二人のように、殿様と奥様とが かくまわれて....
古事記」より 著者:太安万侶
ほと》をついて死んでしまいました。そこで天照らす大神もこれを嫌つて、天《あめ》の岩屋戸《いわやと》をあけて中にお隱れになりました。それですから天がまつくらになり....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
片貝谷の野営地出発。七時十分、オノマ(東又南又合流点)。南又に入る。八時二十分、岩屋の大小屋。初めて残雪を見る。九時十分、坂様谷。之より四、五町にして路尽き、河....