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岩間
「岩間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
岩間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
なんでもこの山巓《さんてん》を少し降《くだ》った叢《くさむら》の中には、どこかに
岩間から湧き出《いづ》る清泉《せいせん》があるとは、日中|麓《ふもと》の村で耳に....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
ここに一夕の緩和を得た。嵐を免れて港に入りし船のごとく、激つ早瀬の水が、僅かなる
岩間の淀みに、余裕を示すがごとく、二人はここに一夕の余裕を得た。 余裕をもって....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の人を主としているうちに、大正四年になると、思いがけなかった男の子が、算哲の愛妾
岩間富枝に胎ったのだ。それがすなわち、現在の当主旗太郎なんだよ。そうして、無風の....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
大台ヶ原山に登った。十月には大山に登り船上山へ廻ってみた。大正十五年七月中頃には
岩間温泉へ下山、七月終りには中房温泉から燕岳へ登り大天井岳西岳小屋を経て槍ヶ岳の....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
ときは口のなかへ一ぴき、手に一ぴき、針に一ぴき! そんな溪の水で冷え切った身体は
岩間の温泉で温める。馬にさえ「馬の温泉」というものがある。田植で泥塗れになった動....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
寺、九番が奈良の南円堂、十番が山城宇治の三室、十一番が上の醍醐寺、十二番が近江の
岩間寺、十三番が石山寺、十四番が大津の三井寺と段々|打巡りまして、三十三番美濃の....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
、南の方は赤城山、山又山の数坂峠、大樹は生茂って居りまして、大泉小泉という掘割の
岩間に浮島の観音というのがあって、赤松が四五本|川辺へ枝を垂れ、其処に塚が在って....
「書記官」より 著者:川上眉山
の一間に起りぬ。新たに来たる離座敷の客は耳を傾けつ。 糸につれて唄い出す声は、
岩間に咽ぶ水を抑えて、巧みに流す生田の一節、客はまたさらに心を動かしてか、煙草を....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
に一沢を分っている。其処から三町程度進むと流は尽きそうになって、ちょろちょろ水が
岩間に湛えているに過ぎない。そこで昼飯にした。谷の眺望が少し開けて、雁坂から金峰....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
カックー、カックーという杜鵑の声が幾度か聞こえます。その時に
ヒマラヤの樹の間
岩間の羊腸折
うらさびしきに杜鵑啼く
そういう淋しい山の間を通って参....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
(パンの神の許へ遣されたるもの。)
かの輝ける豊かなる宝は、
糸引けるごと
岩間に流れひろごりて、
たゞ宝を起す奇しき杖にのみ
おのが迷路を示せり。
その....
「野ばら」より 著者:小川未明
外へ出ると、はたして、太陽は木のこずえの上に元気よく輝いていました。 二人は、
岩間からわき出る清水で口をすすぎ、顔を洗いにまいりますと、顔を合わせました。 「....
「木と鳥になった姉妹」より 著者:小川未明
と、姉はいい残して、高い山へ上ったり、深い谷に下ったりして、眼薬になる草の根や、
岩間から滴る清水を持ってきて、いろいろと看病をいたしました。けれど、それらの薬の....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
崖の上の路は間もなく下りになって狭い沢に引き込まれる、仄かな水が何か呟きながら
岩間を潜り抜けて行く、土倉谷だった。此辺までは鱒が上るそうである。少し爪先が仰い....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
河に臨んだ岩の上に、まだ建てられて間もない新鐘釣温泉の二階屋が見えた。こっち側の
岩間から湧き出す湯を水車仕掛のポンプで汲み上げて、樋で導くようになっている。右手....