島台[語句情報] » 島台

「島台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

島台の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
し》をしていた青柳は、その当日も手隙《てすき》を見てはやって来て、床の間に古風な島台を飾りつけたり、何処からか持って来た箱のなかから鶴亀《つるかめ》の二幅対を取....
花燭」より 著者:太宰治
た。ぎょっとして、それから二人こわごわ這い出し、襖をそっとあけてみると、祝い物の島台《しまだい》に飾られてある伊勢|海老《えび》が、まだ生きていて、大きな髭《ひ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りとはみ出している金水引きの端を見つけました。同時です。がらりあけて中を見ると、島台に飾られた紅白ふたいろの結納綿が名人の目を射ぬきました。いや、飾り綿ばかりで....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
勝手、半分なりとも御門が開いておりましたならば、御挨拶のしるしといたして御音物を島台に一荷、もしも御殿様が御門の前にでもお出ましでござりましたら、馬に一駄の御貢....
新世帯」より 著者:徳田秋声
台ランプが二台、狭苦しい座敷に点され、火鉢や座蒲団もきちんとならべられた。小さい島台や、銚子、盃なども、いつの間にか、浅い床に据えられた。台所から、料理が持ち込....
播州平野」より 著者:宮本百合子
いた。角かくしの重い首をうなだれて入って来た花嫁に先立って、いくつもの箱を重ねた島台が恭々《うやうや》しく運ばれた。それは、花嫁からの土産であった。精一杯身を飾....
南地心中」より 著者:泉鏡花
っと、どないな気がおしやす。」 唐織衣に思いもよらぬ、生地の芸妓で、心易げに、島台を前に、声を掛ける。 素袍の紗に透通る、燈の影に浅葱とて、月夜に色の白いよ....
震災日記より」より 著者:寺田寅彦
て破損の状況を見廻ってから、本郷通りを湯島五丁目辺まで行くと、綺麗に焼払われた湯島台の起伏した地形が一目に見え上野の森が思いもかけない近くに見えた。兵燹という文....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
松をさしこんで、これに一羽ずつ本物の生きた鶴をとまらせる。六畳敷ほどもある大きな島台をすえつけ、その上に猿若町《さるわかまち》の役者を翁と嫗《うば》に扮装させて....
加波山」より 著者:服部之総
、先頭は手ぶらで次は一升徳利を三人めは鯉《こい》のいきづくりの鉢を四人めは鶴亀の島台を捧げて、つぎつぎとあらわれては禿《は》げた頭を物堅くさげ、みるみる品物と人....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
とか、硫黄嶽や、由布嶽にしても、決してやさしくない山容ではある。 だが、峠の城島台へ出ると、もっと意外な視野に出会う。そこに高原ホテルを見たり、薄雪をもった由....
下頭橋由来」より 著者:吉川英治
門は、父として嫁入り近い彼女の沈んでいることが、気懸りでもあり、不足でもあった。島台、紅白の縮緬、柳樽、座敷は彼女の祝い物で一杯だった。家族たちは、毎晩のように....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
に消えてしまった。そうしてその痕跡は必ずしも書物を探さずとも、正月の喰積や婚礼の島台の上に、まだ幽かに残っている。これを見渡して第一に感ずることは、昔に比べると....