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「島山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

島山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
ここしばらく住み具合のよい釣合いのとれた時期の続きであるだろう。 「この大地は、島山になっております。蜻蛉《あきつ》の形をしたこの島山の胴のまん中に、岩と岩との....
婦系図」より 著者:泉鏡花
会釈あり。 「私は英さんの妹でございます。」 「ああ、おうわさで存じております。島山さんの令夫人でいらっしゃいますか。……これはどうも。」 静岡県……某……校....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
九月十三|夜に、谷中瑞林寺の門前で非業な死を遂げました、屍骸を引取って、浅草の田島山誓願寺へ内葬を致しました。其の時検使に立ちました役人の評議にも、誰が殺したか....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
誅組の残党が四方への離散となった。 九月の二十七日には、木曾谷中宿村の役人が福島山村氏の屋敷へ呼び出された。その屋敷の御鎗下で、年寄と用達と用人との三役も立ち....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
に前後を護られ、供奉の同勢の中には伏見|二品宮、徳大寺宮内卿、三条|太政大臣、寺島山田らの参議、三浦陸軍中将、その他伊東岩佐らの侍医、池原文学御用掛りなぞの人々....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
れて行き、種々言含めたが唯泣いて計り居て返答を致しませんのは、屋敷|内の下役に白島山平という二十六歳になります美男と疾うから夫婦約束をして居りました。遠くして近....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
竜胆も咲き、尾花が靡けば月も射す。いで、紺青の波を蹈んで、水天の間に糸のごとき大島山に飛ばんず姿。巨匠が鑿を施した、青銅の獅子の俤あり。その美しき花の衣は、彼が....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ろう、というのである。長歌の方で、「潮干れば玉藻苅りつつ、神代より然ぞ尊き、玉津島山」とあるのを受けている。 第四句、板本、「伊隠去者」であるから、「い隠れゆ....
置土産」より 著者:国木田独歩
ち往来を外れ田の畔をたどり、堤の腰を回るとすぐ海なり。沖はよく和ぎて漣の皺もなく島山の黒き影に囲まれてその寂なるは深山の湖水かとも思わるるばかり、足もとまで月影....
『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
は、浮かぬ顔をしてそう答え、即座に何やらくしゃくしゃと書き、私の方によこす。 「島山鳴動して猛火は炎々と右の火穴より噴き出だし火石を天空に吹きあげ、息をだにつく....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
。 海の水平線は画幀の上部を狭く劃って、青灰色の天空が風に流れている。そこには島山の噴煙が靡き、雲が這っている。地理的にいえばこの島山はこの絵を描いた位置から....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
。 もし韋提希夫人が行する日想観に当る如来像を描くとすれば、やはり亦波間に見える島山の上に、三尊仏をおくことであろう。そうした大水の、見るべからざる山の国では、....
たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
て国内随一であるときいていた。これにつぐのが伊豆の天城山、丹波の雲ヶ畑、日向の霧島山あたりで猟れるものであるそうだが、紀州の猪が最も味がよろしいというのは、ここ....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ますから、またこの次に残します。今夜は霜をあざむくようないい月夜で、海をへだてて島山が凍るように冷たくかたまって黒く見えます。私はひとりで外套を着て海べを歩きま....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
要駅なり。南米に往復する汽船は、ここに入りて石炭を積み込み、帆船は風波を避く。全島山岳より成る。山峡の海に向かいて開きたる所に市街あり。赤瓦白壁、スペイン式なり....