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島影
「島影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
島影の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
って美しい笹縁《ささべり》をつけていた。海は目も綾《あや》な明暗をなして、単調な
島影もさすがに頑固《がんこ》な沈黙ばかりを守りつづけてはいなかった。葉子の心は抑....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
た。そして、淡路島の東海岸ぞいに、大阪湾の出口のほうへでていったが、やがて淡路の
島影から、意味ありげに明滅する灯火をみると、しだいにその上空へすすんでいった。 ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ランシスコ出港後第十三日目のことであった。たぶん明日あたり、ニューアイルランドの
島影が見えはじめるはずだった。それが見えれば、本船は、その尖端《せんたん》のカビ....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
て、ここまでやって来たのであるが、あの緑の樹で蔽われた突兀と天を摩する恰好のいい
島影を海上から望んだ刹那、そういう不安な考えは一時に消えてしまった。そして非常に....
「地球要塞」より 著者:海野十三
外で、殆んど平らであります」 哨戒艦は、しきりに、水深を測っているらしい。 「
島影も見えず、沈下した様子もないとは、変だなあ。――どうだ、水中聴音器で、立体的....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ました。 「あっ、あれゃ島だ! 島だ!」 島が見つかったのです。死の一歩前に、
島影が見えるなんて、何という天佑でしょう。 小浜兵曹長の元気は百倍しました。 ....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
からこっちへ、もう一月ちかい日数がたちました。その間、どこの軍港にも入らないし、
島影らしいものも見かけなかったのでした。 もっとも水面をこうやって航行するのは....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
肴に、祝うて一献、心ばかりの粗酒を差上げとう存じまする。まず風情はなくとも、あの
島影にお船を繋ぎ、涼しく水ものをさしあげて、やがてお席を母屋の方へ移しましょう。....
「おとずれ」より 著者:国木田独歩
て――ああ君はこの歌を知りたもうや――月さゆる夜は風清し――右を見るも左を見るも
島影一つ見えぬ大海原に帆を揚げ風斜めに吹けば船軽く傾き月さえにさえて波は黄金を砕....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
の砂丘の上から日本海を見下してゐる)新潟から佐渡まで泳いだ。新潟の海で遠く佐渡の
島影を見て泳いでゐると、私などでも、あゝ泳いで行つてみたいな、と泳げもせぬくせに....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
の女にすぎませぬのじゃ」 と紅琴は、伸び上がり伸び上がり、次第に点と消えゆく、
島影に名残りを惜しんでいたが、その時、島の頂きに当たって、音のない爆音を聞いた心....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
というほかにないであろう。その赤紫色の塊団は、さながら和蘭風の刈籬を想像させた。
島影は、落日のため硫黄色に焼け爛れて、真直な一条の光線が、中央にある小丘の上に突....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
十三日(日曜)、晴れ。わが船すでにセレベス海を去りて、ニューギニア海に入る。終日
島影を見ず。午後、驟雨来たること二回。軟風穏波、暑気ようやく減じて、わが七、八月....
「赤い船」より 著者:小川未明
、はるばると地平線が茫然と夢のようになって見えました。白い雲が浮かんでいるのが、
島影のようにも、飛んでいる鳥影のようにも見えたのであります。 お姉さまは、いい....
「木と鳥になった姉妹」より 著者:小川未明
も、航海しました。海の真ん中に出ますと、どこを見ましても、山も見えなければ、また
島影も見えませんでした。ただ、夜が明けると真っ赤な太陽が東の方から上がりました。....