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峻烈
「峻烈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
峻烈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
顔つきをした。人が怖れる割合に、葉子には内田が恐ろしく思えなかったばかりか、その
峻烈《しゅんれつ》な性格の奥にとじこめられて小さくよどんだ愛情に触れると、ありき....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
ておる者共は、今日少くとも日本国民三分の一位はあるであろう。願《ねがわ》くは何か
峻烈《しゅんれつ》なる刺激を与え、鞭撻《べんたつ》激励して彼等を努力せしめたなら....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
全然それとはそぐわない、透き徹った理智的な、むしろ冷酷ではないかと思われるような
峻烈なものがあって、その二つが異様な対照をなしていた。十四郎の妻の滝人《たきと》....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
髪を無雑作に掻き上げて、耳朶が頭部と四十五度以上も離れていて、その上端が、まるで
峻烈な性格そのもののように尖っている。やや生え際の抜け上った額は眉弓が高く、灰色....
「落穴と振子」より 著者:佐々木直次郎
んに行われて、異教徒の迫害に利用され、ことにスペインにおける宗教裁判はその糺問が
峻烈で処刑が残酷なので有名であった。第十八世紀にいたってようやくやみ、スペインで....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
で、その話から得るところといっては何もなかった。が、この男の、兵役や戦争に対する
峻烈な攻撃は、その身分がらずいぶん面白く聞いた。 「ヨーロッパの大戦だって、もう....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
を越えて来る。最上の湯は、其ばかりか、温泉その物が、利きそうな気をさせる。其ほど
峻烈に膚に沁む。東北には酸川・酸个湯など、舌に酸っぱいことを意味する名の湯が、大....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
吸殻を灰皿へ投げ込むと、椅子に深く身を埋めながら、さて、夫人の犯罪に対する検事の
峻烈な求刑や、そしてそれに対する困難な弁護の論法などをポツリポツリと考え始めた。 (一九三四年四月号)....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
い批評の繁昌している国は昔からまたとあるまい。繁昌するばかりでなく、これがおよそ
峻烈苛酷をきわめる。ある批評家がある監督を批評していわくに、この監督のただ一つの....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
王妃の性格を――|弱き者よと嘲けられる、弱々しさを様式化してはいたが、俳優二人の
峻烈な演技――わけても王妃に扮する、衣川暁子の中性的な個性は、充分装置の抒情的な....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
」 池内操縦士は、同僚を庇うように昂然と言った。が、三枝はすっかり顔色を失って
峻烈そのもののような署長の前に、 「いや、私だけは一度飛行中客室へ降りました」と....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
議は、再び、断々乎としてアルスタアの攻撃力を拒否するというのである。エリザベスは
峻烈な手紙を、彼女の「正しくして信じるにたる、いとしの従弟」に書いた。その手紙で....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
は臆病なそして翔べない私です。もちろん誓って私はあなたを援助します。しかし、私は
峻烈な批評をあなたに与えることもありますからその積りでいて下さい。私はこれからあ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
でもとうとう彼の一組が美事に優勝した。 あの土人どもの無智な一図の活動はむしろ
峻烈極まったものだった。映画で見る樺太犬の橇引きとたいして違いはなかった。四隻の....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
。その代りに彼ら仲間の規律は極めて厳重で、いわゆる「仲間の法」による制裁はかなり
峻烈に行われたものであった。前記加賀の浮浪人の長が、廻国の修行者に私刑を加えたと....