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「峻酷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

峻酷の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の父と母」より 著者:有島武郎
飛躍的に入れず、こう遅れたのであろうと思う。 父は長男たる私に対しては、ことに峻酷《しゅんこく》な教育をした。小さい時から父の前で膝《ひざ》をくずすことは許さ....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
おもて》を擡《あ》げて、額越《ひたいご》しに検事代理の色を候《うかが》いぬ。渠は峻酷《しゅんこく》なる法官の威容をもて、 「そのほうは全く金子《きんす》を奪《と....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
ってゆくと、浅間山の煙が、まぼろしのように、遠い雲の海から、すーっと立っている、峻酷なる死、そのものを仰視するような槍ヶ岳は、槍の大喰岳を小脇に抱え、常念岳を東....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
なそして陰気な顔つきであった。変に複雑な相貌で、一見しては謙譲に見えるが、やがて峻酷《しゅんこく》なふうに見えて来る。目はちょうどくさむらの下に燃ゆる火のように....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
はあったが、その快活さも悲しみと怒りを含んでるかのように痙攣的《けいれんてき》の峻酷《しゅんこく》さを帯び、その激烈さも常に一種の静かな陰鬱《いんうつ》な銷沈《....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
という情ない事になったのだろう。」と云って、気をもんでは泣き出した。 屋外には峻酷な冬が、日ごと夜ごと暴れ狂っていた。世界はすべて、いやが上にも降り積もる深雪....
地上」より 著者:島田清次郎
郎の一身の立つよう世話をすることは嬉しいことである。お光は冬子の言葉から熱烈な、峻酷な、運命の宣言を聞いた。破壊した平一郎の生活がこのまま過ぎて元通りになりそう....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
、この婦人はジルベールの母親であった。サンテ監獄に囚われ、殺人犯の名の下に検事の峻酷な取調べを受けつつあるジルベールの母親であったのだ!ルパンはなおつづけた。 ....
三国志」より 著者:吉川英治
、まま見られる一短所は、謹厳自らを持す余りに、人を責める時にも、自然、厳密に過ぎ峻酷に過ぎる傾きのあることである。潔癖は、むしろ孔明の小さい疵だった。 たとえ....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
には不帰谷の落囗が岩壁に穿った洞門のように開いて、細い流を注いでいる。周囲が余り峻酷なので安心して泊っている気になれそうもない。 上り切ると狭いが平な段だ。木....