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崇高
「崇高〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
崇高の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
んな辛抱がいつまでも続こうぞ。結婚前までは葉子のほうから迫ってみたにも係わらず、
崇高と見えるまでに極端な潔癖屋だった彼であったのに、思いもかけぬ貪婪《どんらん》....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
すべ》てを圧倒した。そして死が総てを救った。
お前たちの母上の遺言書の中で一番
崇高な部分はお前たちに与えられた一節だった。若《も》しこの書き物を読む時があった....
「二つの道」より 著者:有島武郎
史のまっただ中に、従容《しょうよう》として動くことなきハムレットを仰ぐ時、人生の
崇高と悲壮とは、深く胸にしみ渡るではないか。昔キリストは姦淫《かんいん》を犯せる....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
か」 「いや、団長は人類の幸福のため自分の尊い生命を犠牲にしておられるのだ。その
崇高な決意に対し、われわれもまた団長と同一精神に燃え、世界人類の幸福のために大西....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
柄にもない飛び上りな行いをした後に毎時でも残される苦しい後味なのだ。お前は一方に
崇高な告白をしながら、基督のいう意味に於て、正しく盗みをなし、姦淫をなし、人殺し....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
大局から見れば何でもない。戦闘員にも非戦闘員にも同じく、神武天皇御東征当時からの
崇高な大和魂が、今日もまだ宿っていたことがわかった。狼狽したり、悲鳴をあげたり、....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
な彼の両眼までも取り換えることは出来なかったのである。 六 ラザルスは宮殿の
崇高なるにも、心を動かされなかった。彼に取っては荒野に近い崩れ家も、善美を尽くし....
「砂書きの老人」より 著者:上村松園
に消えてしまうところに一瞬の芸術境があり、後世に残されなかったところにあの老人の
崇高な精神が美しくひとびとの心に残されたのであると。 その後あのような不思議な....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
道を去らせて、諸君をして紳士閥生活の狭い範囲から、吾々が今奮闘努力しつつある此の
崇高な時代に相応しい、もっと、高貴な劇に移らせようとしている。なぜなら、独り大き....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
て、やや低き諸峰に囲まるるを見る。非常なる高さに聳ゆるの力あるものは、必ずや他の
崇高なるものを伴うを形成せるを見る。 「すなわちファラデーの電磁気感応の大発見 ....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
単に快感の客観化されたものではない。快感を超越した要素がなくてはならぬ。もとより
崇高、深遠、幽邃、壮大、雅麗等の諸性質はそなえておらなければならぬが、また超快感....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の二篇の価値を承認したものは真に寥々晨星であった。が、同時にこの二篇に由て初めて
崇高なる文学の意義を了解し、堅実なる新らしい文学の基礎を固め、もしくは感激して新....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
ッキリとその全身を露わしている。水の垂れそうな秋の空、凍ったような純白の雪、この
崇高な山の威霊にうたれて、私は思わず戦慄した。袂にスケッチブックのあることを忘れ....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
のような痛恨の言葉を発しなかったものがあろう。「あれほどの努力があり、あれほどの
崇高い熱誠があり、あれほどの血を流し、あれほどの家族に喪服を着せ、あれほどの顛覆....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
明治四十一年十二月軍隊内務書改正の折、その綱領に「服従は下級者の忠実なる義務心と
崇高なる徳義心により、軍紀の必要を覚知したる観念に基づき、上官の正当なる命令、周....