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「崖端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

崖端の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
豚群」より 著者:黒島伝治
経で、すぐにも池か溝かに落ち込みそうだった。しかし、夢中に馳せまわっていながら、崖端に近づくと、一歩か二歩のところで、安全な方へ引っかえした。 三人は、思わず....
」より 著者:岡本かの子
節を見廻し、ふうっと息を空に吹いて 「それも、いいな」 表通りを曲ると間もなく崖端に病院の焼跡の空地があって、煉瓦塀の一側がローマの古跡のように見える。ともよ....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
間賃が廉くなったので普請は今のうちだと旦那様はおっしゃるんだそうです」といった。崖端のロマネスクの半円祠堂型の休み場もついでにそのとき建った。 「金儲けの面白さ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
潔にもなったのだが、この監督宅は寄宿舎と違って、古建物を移されたのであるし、門も崖端の狭い道についていたから、人力の乗り付けも出来るか出来ない位で、かなり不体裁....
山の手の子」より 著者:水上滝太郎
が遊び相手のない私にはどんなに懐かしくも羨ましく思われたろう。足の下を覗くように崖端《がけはた》へ出て、自分が一人ぼっちで立っていることを子供らに知ってもらいた....
パラティーノ」より 著者:野上豊一郎
別に何等の礼拝の設備もしてない。 其処から西南へ歩を進めてジェルマルスの区域の崖端に寄った所に、灰華石のアラ(祭壇)と称する壇がある。紀元前一〇〇年頃に改築し....
南国太平記」より 著者:直木三十五
みた。帯のゆるみの有無へ、手を当ててみた。目釘を、もう一度、改めてみた。そして、崖端へおいた編笠をきて、崖沿いの細道を、少し降って、それからの爪先登りを、呼吸を....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
三人の警官は一斉に立ちあがって、木戸口から前庭のほうへ走りだした。 まっさきに崖端《がけはな》へ行きついた警官が、海のほうを見ながら叫んだ。 「あんなところを....
岩魚」より 著者:佐藤垢石
しかし、麗人は昨夜のような美しい微笑を頬に浮かべなかった。路幅およそ二間半、女は崖端に近い方をしとやかに歩いて往き交った。賢彌の視線から、おのれの視線をはずすと....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
ると噛み付かれる恐がある。上辷りのする赭色の岩屑を押し出した岩の狭間を匍い上って崖端に出ると、偃松の執念く搦みついた破片岩の急傾斜が甍の如く波を打って、真黒な岩....