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「崖路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

崖路の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
崖の近くにあって、僕の部屋からはもう崖ばかりしか見えないんです。僕はよくそこから崖路を通る人を注意しているんですが、元来めったに人の通らない路で、通る人があった....
」より 著者:横光利一
て真赤に栄えた赤土の断崖を仰ぎ、突然に現れた激流を見下して、そうして、馬車が高い崖路の高低でかたかたときしみ出す音を聞いてもまだ続いた。しかし、乗客の中で、その....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
分一人でさえ自分の身が持ち切れなくなってしまいました。この女を荷《にな》ってこの崖路《がけみち》を登ることはおろか、立って見つめているうちに、眼がクラクラとして....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
仏頂寺がテレ隠しに、非常に力《りき》んでみせました。 ほとんど直角に近いほどの崖路。兵馬も、勇仙も、ひとたびは人間臭いと見て、二度目は自信を持てなかったその岩....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
う。 無性に飛んで、久々野《くぐの》に近いところでしょう、左に社があって、右は崖路になっていて、その周囲いっぱいに森々たる杉の木立をつき抜けて走りました。 「....
香熊」より 著者:佐藤垢石
に行ったことがある。一夜を渦の小夜温泉であかし、翌朝、宿をたって尾瀬ヶ原に通ずる崖路を、竿を舁いで一人で登って行った。朝は、昧暗から次第に薄明に目ざめて行くので....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
楢俣沢の奴は、子供を連れて渓流の沢蟹を掘って食べているところを、二、三十間離れた崖路の上から望んだのであったが、日ごろ子連れの熊は危ないと聞かされていたから、老....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
頬に当たれば腐肉も割れやせん。 私は子供のころ、その痛い嵐が吹き荒む利根川端の崖路を、前橋へ使いに走らせられたことがあったのを記憶している。相生町の津久井医院....
磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
のである。その使も今日は見えない。宿の二階から見あげると、妙義道につづく南の高い崖路は薄黒い若葉に埋められている。 旅館の庭には桜のほかに青梧と槐とを多く栽え....