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嵌める
「嵌める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嵌めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
手袋を、ソレ、ト左右糸で繋いだものさね。袖から胸へ潜らして、ずいと引張って両手へ
嵌めるだ。何んと恐しかろう。捻平さん、かくまで身上を思うてくれる婆どのに対しても....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
侍女 そして、雪のようなお手の指を環に遊ばして、高い処で、青葉の上で、虹の膚へ
嵌めるようになさいますと、その指に空の色が透通りまして、紅い玉は、颯と夕日に映っ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
しばって耐えた。そして素早く、そのグニャリと垂れ下った女の手の皮を握ると、手袋を
嵌めるあの要領でスポリと逆にしごいた。それは意外にもうまく行って、手の皮は元どお....
「桃のある風景」より 著者:岡本かの子
ものだったろうと言うなら、或はそうかも知れないと答えよう。丁度、年頃もその説を当
嵌めるに妥当である。しかし、私はそう答えながら、ものごとを片付けるなら一番あとに....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
った。「ハテ『あい』とはなんだろう?」思案せざるを得なかった。「これを漢字に当て
嵌めると『鮎』ともなれば『哀』ともなる。『間』ともなれば『挨』ともなる。そうかと....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
は行きませんよ。
ファウスト
おい。道学先生。
どうぞ道徳の掟を己に当て
嵌めることだけは免してくれ。
それから君に手短に言って置くがね。
あの旨そうな若....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
すが、貴方どうぞお嵌めなすって、そうして貴方の指環を私にくださいまし、あなた若し
嵌めるのがお厭やなら蔵って置いてくださいまし、私は何も知りませんが、西洋とかでは....
「科学論」より 著者:戸坂潤
目的は、却ってそれから先にあるのであって、実は個々の事象に一つ一つこの法則をあて
嵌めるということこそが、この科学の最後の意味での方法でなければならぬ。個々の事象....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
しているのだが、併し社会機構のあらゆる階層に、又社会のあらゆる部面に、斉しくあて
嵌めることを要求するものと見ていい。このように一般的に抽象的にどこにでもあて嵌ま....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
拘らず、他方に於ては著しく面倒臭さがられているのだ。と云うのは、道徳を他人にあて
嵌める時には心が躍るが、之を自分にあて
嵌める時には気が重くなるというのが、常識的....
「範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
ことは出来ない。であるからこの限定によって生じた結果をアリストテレスの実体に当て
嵌めることは出来ない筈である。念のためこのことを断わっておかなければならない。さ....
「余が翻訳の標準」より 著者:二葉亭四迷
に異っている。従ってこれを翻訳するに方っても、或る一種の文体を以て何人にでも当て
嵌める訳には行かぬ。ツルゲーネフはツルゲーネフ、ゴルキーはゴルキーと、各別にその....
「双面獣」より 著者:牧逸馬
いきなり咽喉を突こうとした。驚いた刑事が、二人掛りでナイフを取り上げて直ぐ手錠を
嵌めると、忽ちホテリングは、今の騒ぎも忘れたように、けろり放心状態に這入って、ぼ....
「家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
えましても、それから先は分りませんから、その五つか六つの調子をあらゆるものに当て
嵌める事になってしまうのでございましょう。人生に応ずるには幾千の調子が入るか知れ....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
あるは飢饉の前兆なり。深山には常に住みて啼く声を聞くなり。 ○クツゴコは馬の口に
嵌める網の袋なり。 五三 郭公と時鳥とは昔ありし姉妹なり。郭公は姉なるがある時|....