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嵌る
「嵌る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嵌るの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
みると物を誂えるような塩梅で、時間なども気短かに区切って注文してあります。これで
嵌るで染物屋へ物を誂えると同じ調子で、人間の思慮や力量以上の大きな了見の仏菩薩に....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
なる母の本能――それには、「むす子に済まない」そんなまだるい一通りな詞が結局当て
嵌るべくもないのに、今更かの女は気がついた。むす子の存在の仲介によって発展した事....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
場合、無意識に自己を曝露してしまう事があるのです。と云うのは、孔雀の場合にも当て
嵌るのでして、あの女は、九十郎に脊の真中を打たれて、左手の甲まで痛みを感じたと云....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
つまり、ここまでのところでは、dが母音pが子音の、それぞれ冠頭を占める文字に当て
嵌ることになるけれども、しかし、第四節と第六節でもって、それをさらに訂正している....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
―船員が航海中に衣類その他の所持品を入れる木製の箱。船の水夫部屋の舷側にぴったり
嵌るように、普通は、側が少し傾斜して、底よりも蓋の方が小さくなっている。 四 弁....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
しても、それは私たちの使っている陶器の、茶碗ではありません。スッポリと洋杯全体が
嵌るような把手のついた、彫りのある銀金具の台がついているのです。そしてさっき私が....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
いではいられない。 以上の比較は無論ただ津田君の画のある小さい部分について当て
嵌るものであって、全体について云えば津田君の画は固より津田君の画である事は申すま....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
と離れることの出来ないこの一種の資格の高さは、常識というものにも略々そのままあて
嵌る。常識や之と直接連関している日常性に就いては、前に色々述べたばかりだから今は....
「辞典」より 著者:戸坂潤
が新しい世界観である。自然科学は哲学のこの構造に、恰も陥ち込みでもするように当て
嵌るものなのである。――自然科学は歴史的に見れば元来哲学そのものであったし又哲学....
「陳情書」より 著者:西尾正
する事を忘れませんでした。病的婬乱症《ニムフォマニイ》――此の名称が男子にも当て
嵌るものであるならば、其の当時の私の如き正に其の重篤患者に相違ありませんでした。....
「魔都」より 著者:久生十蘭
肉中脊、例の卅二番という既製洋服《レディー・メード》が縫直しもせずにキッチリと当
嵌るという当世風な身丈《みたけ》。乙に着こなした外套はチェスターフィールドだが、....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
。 我が小圓太、圓生門にあること二ヶ月、もうその年の暮のうちには、この諺に当て
嵌るような心根になってきていたといったら、人、恐らくはその怠惰薄弱心に呆れるだろ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
発揮しているので、誰でも口にする「コン畜生」とか「この獣め」とかいう罵倒詞に当て
嵌る心理のあらわれは皆、これに他ならぬのである。
次に、この禽獣性の下に在る隔....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
殊に――関ヶ原の乱後には、たくさんある筈であった。けれど、手頃でどこの垣へでも
嵌るような石は、抱える大名がその多いのを持て余し、これはと思う石には、圭角があり....