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「嵩高〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嵩高の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仮装人物」より 著者:徳田秋声
蓮の花影で二三日にわかに明るくなった縁側にいた。葉子が松川と一緒に子供をつれて、嵩高な原稿を持ち込んで来たのが、ちょうどこの木蓮の花盛りだったので、彼女はその季....
足迹」より 著者:徳田秋声
にかと言ってるうちに、もうじき三十ですよ。」 「三十ですって……。」お庄はあまり嵩高なような気がして、そんな年数の考えが、どうしても頭脳へ入らなかった。 「私三....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
過半を売った。これは金を得ようとしたばかりではない。間道を進むことに決したので、嵩高になる荷は持っていられぬからである。荷を売った銭は固より路用の不足を補う額に....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
よう探いてもらわっしゃい。」 「これはお隙づいえ、失礼しました。」 「いや、何の嵩高な……」 「御免。」 「静にござれい。――よう遊べ。」 「どうかしたか、――....
連環記」より 著者:幸田露伴
して行くものもある。何も大路であるから不思議なことは無い。たまたま又非常に重げな嵩高の荷を負うて喘ぎ喘ぎ大車の軛につながれて涎を垂れ脚を踏張って行く牛もあった。....
月明」より 著者:豊島与志雄
「静夫さん!」 胸にしみ通るような細い声が聞えたので、彼はふと眼を見開いた。嵩高な女神の端正さを持った俊子の上半身が、降り濺ぐ月の光りの中に浮んでいた。……....
経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
ことを説明するであろう。それは、内国貨物及び比較的小なる価値を有つものではあるが嵩高《かさだか》の貨物の価格が、他の原因とは無関係に、製造業の栄えている国におい....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
、折々雲霧に見舞われる、これによると、今回のように度々御幕がかかるのが、かえって嵩高に感ぜられる。万山の奥ともいわるる槍でさえ、夙くから開け、絶頂始め坊主小屋等....
春泥」より 著者:久保田万太郎
のあたりの田圃だった時分のさまを可懐しくおもい出させた。――それにはその道の上に嵩高につまれた漬菜のいろ。――二三人の女たちの、洗ってはそばから戸板のうえに載せ....