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嶄然
「嶄然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嶄然の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
(Sansbakamism)と呼ぶだ。
「矢部さんの講義は何んといっても異色だ。
嶄然《ざんぜん》足角を現わしている。経済学史を講じているんだが『富国論』と『資本....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ではただの匍匐的リアリズムやトリビアリズムやミミクリーに終るべきものが、映画では
嶄然たる芸術的鋒鋩を現わすのだ。自然現象に関して云えば、スクリーンは世界の物性の....
「日輪」より 著者:横光利一
娘、香取であった。彼女は奴国の宮の乙女たちの中では、その美しい気品の高さにおいて
嶄然として優れていた。 「ああ長羅、見よ、彼方に爾の妻がいる。」と、君長はいって....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
義 第十章 進歩的啓示 第十一章 審神の要訣 解説 近代の霊媒中、
嶄然一頭地を抽いて居るのは、何と言ってもステーントン・モーゼスで、その手に成れる....
「再び科学的精神について」より 著者:戸坂潤
容とする。教学的な教育が即ちそれ自身の内容をなすという構造は、教学特に東洋教学の
嶄然たる固有特色なのである。 だが之を以て学と実践との統一とか相即とかと思って....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
ほととぎす 狭斜の巷の情と景とを併わせ備えた名句として、其角の無数の秀句の中で
嶄然頭角を現わしているこの「ほととぎす」の一句こそはこういう事情の下に出来上がっ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
馬琴の日記 『八犬伝』が日本の小説中飛び離れて挺んでている如く、馬琴の人物もまた
嶄然として卓出している。とかくの評はあっても馬琴の如く自ら信ずるところ厚く、天下....
「今昔茶話」より 著者:国枝史郎
以って、堂々と振舞い、談笑の間に折衝し着々と自国の利益を計りながら各国使臣の間に
嶄然頭角をあらわし、尊敬のマトとなった。仏国外相のタレーランの如きは、もっとも彼....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
は宝暦年代にありては鳥居清満《とりいきよみつ》と拮抗《きっこう》し、明和に入りて
嶄然《ざんぜん》として頭角を現はすや、当時の浮世絵は悉《ことごと》く春信風となれ....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
に達した。山は海抜三百五十二メートル、さして高いと云えぬながらも、群小諸山の間に
嶄然頭角を現わしている。南口より上り、石城神社の楼門を見、妙見宮のほとりに至れば....
「西航日録」より 著者:井上円了
られたるも、その強さたるや虚強にして実強にあらず。これをインド、シナに比するに、
嶄然頭角をあらわすところあるも、これを欧米に較するに、なおはるかにその後に瞠若せ....
「三国志」より 著者:吉川英治
して少なしとはしない。曹操以来、久しく一文官として侍側するに止まっていた仲達が、
嶄然、その頭角をあらわして来たことなども、まさに時代の一新を物語っているものであ....