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巉
「巉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巉の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「狂乱」より 著者:近松秋江
ど山ばかりの村である。そこに峙っている鷲峰山は標高はようやく三千尺に過ぎないが、
巉岩絶壁をもって削り立っているので、昔、役の小角が開創したといわれている近畿の霊....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
で、紀州の人であった。
紀州は蜜柑と謀叛人の本場である。紀州灘の荒濤が鬼が城の
巉巌にぶつかって微塵に砕けて散る処、欝々とした熊野の山が胸に一物を蔵して黙して居....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
ぐるりと周囲に欄干があるか、と聞いて、……その島人に叱られた話がある。が、巌山の
巉崕を切って通した、栄螺の角に似たぎざぎざの麓の径と、浪打際との間に、築繞らした....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
、私達は海岸へ参りましたが、見渡す限り海上は墨のように真黒です。背後は嶮山左右は
巉岩、そうして前は大海です。空には月も星も無く、嵐に追われる黒雲ばかりが海の方へ....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
る氷原が霧の向うまでつづき、オホーツク海の水がうごめいている。海からあがった霧が
巉《ざん》岩に屍衣のようにぼんやりと纒いつき、黄昏のような色をした雪原の上に海鴨....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
下げて自分にも同行して見ぬかと勧めたが、岩魚の寝入っているのも見物したいが夜中に
巉岩を蹈む勇気もなくて行かなかった、小一時間も過ぎると人夫が帰えって来た、明日の....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
く手を遮る、幕の内連が御幕の内にいるのは当然だ、と負け惜みをいいつつ、右に折れ、
巉岩にて築き上げた怪峰二、三をすぎ、八時、標高三千十四米突の一峰に攀じて腰を据え....