»
巌
「巌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
ろうか》にいると、出窓はこの家を背景にした、大きい一枚の画《え》のように見える。
巌乗《がんじょう》な槲《かし》の窓枠《まどわく》が、ちょうど額縁《がくぶち》を嵌....
「白」より 著者:芥川竜之介
回動物園のシベリヤ産|大狼《おおおおかみ》は二十五日(十月)午後二時ごろ、突然|
巌乗《がんじょう》な檻《おり》を破り、木戸番《きどばん》二名を負傷させた後《のち....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
そのそ砂の上を歩き出した。
その間にほかの若者たちは、河原《かわら》に散在する
巌石《がんせき》を持上げ合う遊戯《ゆうぎ》を始めていた。岩は牛ほどの大きさのも、....
「星座」より 著者:有島武郎
かな札幌の往来を南に向いて歩いていった。ひとしきり明るかった夕方の光は、早くも藻
巌山《もいわやま》の黒い姿に吸いこまれて、少し靄《もや》がかった空気は夕べを催す....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
督旧教の中にありながら、根ざし深く潜在する尊い要素に自分のけだかさを化合させて、
巌のように堅く立つその態度は、私を驚かせ羨ませる。私は全くそれと反対なことをして....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
か、お殿様が御微行で、こんな破屋へ、と吃驚しましたのに、「何にも入らない。南画の
巌のようなカステーラや、べんべらものの羊羹なんか切んなさるなよ。」とお笑いなすっ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
って、練絹を裂くような、柔な白浪が、根を一まわり結んじゃ解けて拡がる、大きな高い
巌の上に、水色のと、白衣のと、水紅色のと、西洋の婦人が三人。―― 白衣のが一番....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
の鬱蒼たる森林の影が、くろぐろと映って居ました。岸はどこもかしこも皆割ったような
巌で、それに松、杉その他の老木が、大蛇のように垂れ下っているところは、風情が良い....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
いアフォリズムを閃かせていた。それ等のアフォリズムは僕の気もちをいつか鉄のように
巌畳にし出した。(この影響を受け易いことも僕の弱点の一つだった)僕は一杯の珈琲を....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
らしめたものは、明らかに道徳的意識の力である。砂の上に建てられた旧道徳を壊って、
巌の上に新道徳を築かんとした内部の要求の力である。わたしは以前彼と共に、善とか美....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ある。 しかしちょっと、気を紛らそうという時には、旅行しないで、アイバンホーや
巌窟王を読んだり、有名なキーツの芝居を見に行ったり、ヂェンニイ・リンドの歌うのを....
「活人形」より 著者:泉鏡花
と思われたり。 泰助|屹と眼を着けて、「お前様は何しに来たのだ。問われて醜顔き
巌丈男の声ばかり悪優しく。「へいへい、お邪魔様申します。ちとお見舞に罷出たんで。....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
の裏に同盟本部を設置して社会主義学生の共同生活が行われた。 当時の仲間は、和田
巌、中村高一、平野力三、三宅正一、川俣清音、宮井進一、吉田実、田所輝明、稲村隆一....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
をよく言い、学生時代から実践運動に入っている者が多かった。建設者同盟の同志も和田
巌が早くから友愛会に関係していたし、三宅、平野、稲村、私らは日本農民組合に参加し....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
橋の袂にある表忠碑も昔に変らなかった。表忠碑を書いたのは日露役の陸軍総司令官大山
巌公爵である。日露役のはじまったのは僕の中学へはいり立てだった。明治二十五年に生....