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「川口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

川口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
見えなかった。僕等は余り話もせずに人げのない砂浜を歩いて行った。砂浜には引地川の川口のあたりに火《ほ》かげが一つ動いていた。それは沖へ漁に行った船の目じるしにな....
忠義」より 著者:芥川竜之介
内意を受けて、手負《てお》いと披露《ひろう》したまま駕籠《かご》で中の口から、平川口へ出て引きとらせた。公《おおやけ》に死去の届が出たのは、二十一日の事である。....
或る女」より 著者:有島武郎
描いてぼんやりと空に浮かんでいた。 二人《ふたり》はいつか滑川《なめりがわ》の川口の所まで来着いていた。稲瀬川《いなせがわ》を渡る時、倉地は、横浜|埠頭《ふと....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ります」 「……」参謀長は、答えなかった。 伝令が、パタパタと駈けてきた。 「川口町防空隊からの報告でありますッ」 「閣下」有馬参謀長は、司令官の前に直立した....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
にのぼりはじめたらしい。夜空は大分明かるさを増した。 七月三十日 ◯昨夜は天竜川口で、敵米艦隊の艦砲射撃がかなりあったらしい。 ◯きょうは早暁から艦載機飛来。....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
鬱蒼たる樹海をひかえて、小高い尾根の上に絵のように静まり返っていた。――洋画家の川口亜太郎が、辻褄の合わぬ奇妙な一枚の絵を描き残したまま卒然として怪しげな変死を....
豆潜水艇の行方」より 著者:海野十三
いらしい。さあ、どんどんいそげ。本船じゃ、まっているだろうから」 だるま船は、川口を出て海に入ると、こんどはさらに速度をあげて、沖合へすすんでいきました。 「....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
と言いやす、馬がヒインヒインと嘶う。」 「若いもの、その人に構うまい。車を早く。川口の湊屋と言う旅籠屋へ行くのじゃ。」 「ええ、二台でござりますね。」 「何んで....
人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
まは、たれよりもむこうみずな子でしたから、大きな川が海にながれだしている、そこの川口をさかのぼっておよいでいってみました。そこにはぶどうのつるにおおわれたうつく....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いました。 エリーザはおばあさんに「さようなら」をいうと、ながれについて、この川口が広い海へながれ出している所まで下っていきました。 大きなすばらしい海が、....
」より 著者:岡本綺堂
朝の五つ半に近いころだというから、まず午前九時ごろだろう。日本橋大伝馬町二丁目の川口屋という酒屋の店さきへ初荷が来た。一丁目から二丁目へかけては木綿問屋の多いと....
真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
い夜道に馴れているので、中間の持っている提灯一つの光りをたよりに、秋山は富島町と川口町とのあいだを通りぬけて、亀島橋にさしかかった。 橋の上は風も強い。秋山は....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
っていた。 それが秀頼公初め真田幸村等の薩摩落という風説を信じて、水の手から淀川口にと落ち、備後安芸の辺りに身を忍ばせていたが、秀頼その他の確実に陣亡されたの....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ちに送られながら、新しい筵の縦に長い、箱包を背負って、高浜へ入って来ました。……川口に船を揃えて出迎えた人数の中には、穴水の大庄屋、林水。黒島の正右衛門。……病....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
んですから――」 杉村は少時考えていたが、 「パトロンの名は?」と訊いた。 「川口|譲さん」 「川口譲? ウム、あの有名な川口博士の息子か」 「ええ、そうです....