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川向い
「川向い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
川向いの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
墓地だった。そこの上からは松川農場を一面に見渡して、ルベシベ、ニセコアンの連山も
川向いの昆布岳《こんぶだけ》も手に取るようだった。夏の夜の透明な空気は青み亘《わ....
「山椒大夫」より 著者:森鴎外
見ている。目は、石浦を経て由良の港に注ぐ大雲川の上流をたどって、一里ばかり隔った
川向いに、こんもりと茂った木立ちの中から、塔の尖《さき》の見える中山に止まった。....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
晩は料亭で、つぶ貝などを食べながら、多勢の美人の踊る音頭を見せられ、ある時はまた
川向いにある彼女の叔母の縁づき先であった町長の新築の屋敷に招かれて、広大な酒蔵へ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
た宮は、この家にとどまっておいでになる窮屈さもまたおつらくて、時方に計らわせて、
川向いのある家へ恋人を伴って行く用意をさせるために先へそのほうへおやりになった内....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の家を出て三次の街をめぐらす堤防の防砂の竹林を越えるとすぐ、その砂州に出られた。
川向いには山がせまって、何か支那風の気韻のある美しい景色であった。 先生は読書....
「それから」より 著者:夏目漱石
とう》していた。二人は群集のなかを急いで帰る拍子に、ある横町を曲ろうとする角で、
川向いの方限《ほうぎ》りの某《なにがし》というものに突き当った。この某と二人とは....