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「川尻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

川尻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩を返す話」より 著者:菊池寛
|法度《はっと》の固く禁ずるところであった。国老たちの協議の末、藩中の精鋭四千を川尻《かわじり》に出して封境《ほうきょう》防備の任に当らしめることになった。 ....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
る。 城内の樺山|資紀中佐は直ちに断然として斥けた。二十日には別府晋介の大隊が川尻に到着して、其夜、鎮台の巡邏兵四五十人と衝突した。これが両軍開戦の最初である....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
つ目の浜へ着くようになった時、ここから上って、草臥れた足でまた砂を蹈もうより、小川尻へ漕ぎ上って、薦の葉を一またぎ、邸の背戸の柿の樹へ、と銑さんの言った事は――....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
の雪に映ずるあり、西は海老取川を隔て云々、大層賞めて書いてある。 この境内の玉川尻に向った方に、葭簀張りの茶店があって、肉桂の根や、煎豆や、駄菓子や、大師河原....
想い出」より 著者:佐藤垢石
田原在、松林のこんもりとした酒匂村の海岸に過ごしたことがある。炎天を、毎日海辺の川尻の黒鯛釣りやはや釣りに専念して、第一年の夏は終わったのであったが、第二年は六....
春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
正六、七年ごろであったと思う。八月の炎暑の午後、相州小田原の傍らを流れる酒匂川の川尻で、私が黒鯛を釣っていると、そこへ五十歳前後の釣り師がきて、私と並んで釣りは....
冬の鰍」より 著者:佐藤垢石
大きいのは四、五寸くらいまで育って、腹に吸盤のないものが本ものである。大きな川の川尻に鮎食いまたはタキタといって二十匁以上にも育つ同じ種類のものもいるが、これは....
みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
この正月に、両国橋の上から、みやこ鳥に再会した。いまのみやこ鳥は荒川、隅田川、大川尻かけて柳橋の龜清の石垣にいるだけであるそうだ。私は、ここでみやこ鳥と再会して....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
すな。それから末松の方へ、能登浦、第一歩の草鞋を踏むと、すぐその浜に、北海へ灌ぐ川尻が三筋あって、渡船がない。橋はもとよりで、土地のものは瀬に馴れて、勘で渉るか....
三枚続」より 著者:泉鏡花
等がしょっちゅう附け廻すんだそうですから、私あ堪らなくなって、舟賃を一銭出して、川尻を渡って佃島へ遁げました。 佃島には先生、不孝者を持って多いこと苦労をする....
註文帳」より 著者:泉鏡花
台に、雨戸を横え、赤毛布を敷いて並べてある。 「いずれそうよ、出処は確なものだ。川尻|権守、溝中長左衛門ね、掃溜衛門之介などからお下り遊ばしたろう。」 「愚哉々....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
にしても、或る程度まで舞台の上に採用されたのは、恐らくこれと「新開場梅田神垣」(川尻宝岑作、二十一年一月、市村座)などが嚆矢ではないかと思うことである。 黙阿....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
を幾度か昇ったり降ったりして、そうして先に私が死にはぐった所のチェマ・ユンズンの川尻に着きました。その時分にはもはや秋の末でありますから水も大変減って居りまして....
わが町」より 著者:織田作之助
り、この八年間にたいていの日本の海は潜って来、昨日から鶴富組の仕事で、大阪の安治川尻へ来ているのだと、次郎は語った。 「いや、こんどのはたいした仕事じゃないのだ....
春の大方山」より 著者:木暮理太郎
こともあったが、概して歩行は楽であった。夏は困難するであろう。雨ヶ岳からは直接に川尻へ下ろうと試みた。けれども急傾斜の上に雪が氷って滑るので中止し、途中から横を....