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「川床〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

川床の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
単独行」より 著者:加藤文太郎
終通るので、雪も少なく楽だった。ここでスキーを履き、トンネルを出てすぐ河原に下り川床伝いに行く。いつも世話になる大正池の水路取入口で、山の様子を聞く。去年の二月....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
尉も返し合せて、身には数弾を受けながら乃木を救った。全隊辛うじて木葉川を渉って、川床で始めて隊伍を整える事が出来た。乃木は、さんざんの苦戦であったのである。 ....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
* 震災後の十月十五日に酒匂川の仮橋を渡った。 川の岸辺にも川床にも、数限りもない流木が散らばり、引っかかっていた。 それが、大きな樹も小....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
も出来ないのである。 鹿の角を沢山|背負うて来る男に会うた。茶路川の水|涸れた川床が左に見えて来た。 二里も来たかと思う頃、路は殆んど直角に右に折れて居る。....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
し出すまでは雨の日も風の日も一日も休む事なく河原におもむき、下役人の監視のもとに川床を残りくまなく掘り返せ、と万雷一時に落ちるが如き大声で言い渡した。真面目な人....
ロプ・ノールその他」より 著者:寺田寅彦
とわかった。しかしタリム川の急に曲がった所から東のほうへかけてまさしく干上がった川床らしいもののある事に注意した。一九〇〇年に、もう一度そこへ行ってこの旧河床の....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
草、車百合、ドウダンなどが、栂や白樺の、疎らな木立の下に、もやもやと茂っている。川床に突出する森の下蔭は、湿りっ気が、最も多いかして、蘇苔が、奇麗に布かれている....
時事雑感」より 著者:寺田寅彦
のようにうねった線上にあたる区域に限られているように見えた。地震の割れ目か、昔の川床か、もっとよく調べてみなければ確かな事はわからない。線にあたった人はふしあわ....
戦話」より 著者:岩野泡鳴
を這う様にして前進し、一方に小山を楯にした川筋へ出た。川は水がなかったんで、その川床にずらりと並んで敵の眼を暗ました。鳥渡でも頸を突き出すと直ぐ敵弾の的になって....
道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
一念で、女人のたましいほどのひびでも入れて見い。ありがたい梵音が大空の月の壁から川床の小石までゆさぶるので、その身につけた鱗の皮が一つ一つ、はららけて落ちるまで....
高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
流れがある。木の間がくれに見える谿谷は、青苔のはえた岩石で、そのなめらかな岩肌が川床となっている。岩肌の上を流れおちる水は、清冽だが、殆んど音を立てない。 十....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
りも音楽のことを多く考えていた。原文は彼にとって、自分の熱情の波をみなぎらすべき川床だった。詩の作品を音楽に翻訳せんとする者が当然もつべき自制と知的無私との状態....
水と骨」より 著者:佐藤垢石
付近で釣れる大鮎はさぞかしと思われるが、大したものではない。地盤の構成によって、川床に敷く石が小さいためもあろうが、水温が非常に高いので硬いのである。また、鮎特....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
耕作していたが、そこには五畝歩ほどの不毛地――恐らく年々の洪水のために蚕食されて川床になっている部分でも勘定に入れない限り、誰が見てもそんなにあるとは思えなかっ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
わなる葡萄は 籠み合ふ酒蔵の 桶に灌げり。 泡立つ酒は 小川と流れ、 浄き宝玉の川床にせゝらぎて、 山の上の高き処を 背になしつゝ、 事足れる 緑なる岡の辺の ....