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川底
「川底〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
川底の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
どうしたって野郎は河童《かっぱ》のようなやつにちげえねえんだからね。女をさらって
川底へひきずり込んだかもしれませんぜ」 何をいっても黙々と聞き流しながら、ゆう....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
船は辷って行くのであった。 もし神がいますなら、こういう所にいるべきであった。
川底から突起した岩のために、時々船は止められた。岩壁から差し出した花木のために、....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
ように石橋のところから右へ折れて行った。川の水量が豊かで、張切ってながれている。
川底に近いところを凝視すると、魚が群をなして泳いでいる。あるところでは水草が密生....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
黄土を運んで年々一メートルぐらい堆積するから、早くて十年、おそくて二十年ぐらいで
川底が堤より高くなって洪水となる。 だから堤を築くだけではダメのことが分りきっ....
「桐生通信」より 著者:坂口安吾
「なるほど珍しいアユだ」 とおもしろがってくれた。私は考えたのである。桐生川の
川底の石にはこのあたりの子供たちがチョロとよんでいる虫が無数についている。ゴカイ....
「アラビヤンナイト」より 著者:菊池寛
すと、その入口の岩は、宝石がはめこんであるように、たくさんきらきら光っています。
川底にもダイヤモンドだの、宝石だのが、ちらばっていました。それから、海岸の、どん....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
ない。 しかし、私は目当の場所を往復するのに、何回ひっくりかえったか分らない。
川底はタクアン石大の石で敷きつめられているから、足を踏みすべらしてしまうのである....
「アイヌ神謡集」より 著者:作者不詳
,私を見ると牙を鳴ら している.私はビックリして川の底へ 潜り込んで直ぐそのまま
川底を通って 逃げ下った. そうして,オキキリムイの水汲路の 川口へ頭だけだして....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
うちは、爪先で歩きがちだが、こういう時は絶対速度を会得するには遠いのである。踵が
川底へつくようになると、そろそろ魚の心がわかりかけるが、まだ魚をつかむことはでき....
「鰍の卵について」より 著者:佐藤垢石
に頑張って、外敵の侵入を防ぐのだ。 矢倉に組み立った石というのは、そうやたらに
川底にあるものではない。それを鰍たちが捜すのであるから、一つ矢倉石に幾組もの鰍が....
「寒鮒」より 著者:佐藤垢石
どこでも釣れるというわけではない。昔から場所が定まっている。それは、厳冬になって
川底の条件が永い間鮒が落ち込んで棲みつくのに適しているためであろうと思う。 東....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
がいよいよ明日は滸我へ旅立つという前晩、川狩へ行って蟇六の詭計に陥められて危なく
川底へ沈められようとし、左母二郎に宝刀を摩替えられようとした神宮川というは古名で....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
だ。それでも実に冷たい。始めは冷たくって痛かったがしまいには覚えがなくなって足が
川底に着いて居るのか居らんのか少しも解らない。ただ杖が二本あるものですからまあそ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
あるのです! 心中情緒も改造を要すべき時代なのです! 命の捨場所を卑怯にもこんな
川底に求める必要はありません。
川底にそれを求めた時代は、私らの時代でした。今日の....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
二度三度あちこちと徒渉したろう。水が深いのでもう前のように楽ではない。一度などは
川底に紺屋の藍瓶を伏せたような濃藍色を呈した甌穴の連っている間の縁を、股を没する....