川船[語句情報] »
川船
「川船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
川船の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
影法師」のようなものに遠い未来があるであろう。 このごろ見たうちで、アメリカの
川船を舞台としたロマンスの場面中に、船の荷倉に折り重なって豚のように寝ているニグ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
てんびん》にかけて、こんなあくどい狂言をうったんだ。手先に使っておったあの五人の
川船頭が、漏らしてならねえ秘密を漏らしそうになったんで、荒療治をやったのよ。掛け....
「草枕」より 著者:夏目漱石
老人の甥《おい》と見える。なるほどどこか似ている。 「なあに、送って貰うがいい。
川船《かわふね》で行けば訳はない。なあ隠居さん」 「はい、山越《やまごし》では難....
「右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」より 著者:山中貞雄
る。 23=玄関 其処の土間に提灯が掛かって居るのにふと目を止めた。提灯には深
川船宿|於加田《オカダ》と書いてある。右門、松公に、 「あの提灯は?」 と訊....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
ずにある。雪の中を私達は蟹沢まで歩いた。そこまで行くと、始めて千曲川に舟を見る。
川船 降ったり休んだりした雪は、やがて霙に変って来た。あの粛々降りそそぐ音を聞....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。ちょうど、渦巻き流れて来る隅田川の水に乗って、川上の方角から橋の下へ降って来る
川船があった。あたりに舫っている大小の船がまだ半分夢を見ている中で、まず水の上へ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
さかんに石炭を焚かせた。その時、川口の方面から船印の旗を立てて進んで来る一|艘の
川船が彼の目に映った。彼はその船の赤い色で長官を乗せて来たことを知った。近づいて....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
でございます」
人の往来も追々と目立つほどになった。
向島《むこうじま》から
川船に乗って大川を下った。両岸にはくろずんだ古い家々が音もなく立ちならんでいた。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て宇津木兵馬、浅瀬を計り兼ねて暫らく思案に暮れていたが、そのうちに乗り捨てられた
川船の一隻を、ムク犬が見つけて飛び込むと、兵馬はこれ幸いと同じくその舟へ飛び乗っ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の無理は二倍になってかかるから。まアこんな風にああ考え、こう考え、秋のヴォルガの
川船みたいに、うねくね航行して、林町の二階へ辿りつくのでしょう。私は変にカチカチ....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
た産物を、内地に運びだす任務の船であった。 龍睡丸が、南の海で難破してから、中
川船長は、練習船琴ノ緒丸の、一等運転士となり、私たち海の青年に、猛訓練をあたえて....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
散らし髪。これはしかし、千石船か何かで、野郎の船頭を詠んだので御座いましょうが、
川船の女船頭が、梶座に腰を掛けているのに、後から風が吹いて、アレあの様に乱れ毛が....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ななかせたに違いない。 時に、白い手といえば、「怪談録」目録の第一に、一、浅草
川船中にて怪霊に逢う事、というのがある。 当時の俳諧師、雪中庵の門人、四五輩。....
「法然行伝」より 著者:中里介山
はここかしこにてきえぬとも こころはおなじ花のうてなぞ 鳥羽の南の門から
川船に乗って下ることになった。 摂津の国|経《きょう》の島《しま》に着いた。こ....
「脚」より 著者:吉川英治
捨てて、馬口労か、木挽かになろうとしても、役銀をとられるし、油屋、酒屋も株もの、
川船で稼げば川運上、雑魚を漁っても、網一つに幾らの税だ。――とても食えぬと、他領....