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川越
「川越〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
川越の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
隔っていた。僕等はいずれも腹這《はらば》いになり、陽炎《かげろう》の立った砂浜を
川越しに透かして眺めたりした。砂浜の上には青いものが一すじ、リボンほどの幅にゆら....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
ぎに、修理《しゅり》は、殿中で、何の恩怨《おんえん》もない。肥後国熊本の城主、細
川越中守宗教《ほそかわえっちゅうのかみむねのり》を殺害《せつがい》した。その顛末....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
に魅せられて、傍で茹《ゆ》で卵など剥《む》いていた。 「この間、島田で、大井川の
川越しに使った蓮台を持ってる家を見付けた。あんたに逢ったら教えて上げようと思って....
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
つめて、近在の秋のすがたを江戸のまん中にひろげていた。 霜に染められたかと思う
川越芋の紅いのに隣り合って、秋茄子の美しい紫が眼についた。どこの店にも枝豆がたく....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 四月の日曜と祭日、二日つづきの休暇を利用して、わたしは友達と二人連れで
川越の喜多院の桜を見物して来た。それから一週間ほどの後に半七老人を訪問すると、老....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、時どきに自分を疑うことがある。(大正十二年十月追記『十番随筆』所収) 旅すずり
川越の喜多院に桜を観る。ひとえはもう盛りを過ぎた。紫衣の僧は落花の雪を袖に払いつ....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
は、こんな調子である。それだけに名君の誉ある父の氏康の心痛は思いやられる。氏康は
川越の夜戦に十倍の敵を破り勇名を轟かした名将で、向う創のことを氏康創と云われた位....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
事が気になる。遮莫おれにしたところで、憐しいもの可愛ものを残らず振棄てて、山超え
川越えて三百里を此様なバルガリヤ三|界へ来て、餓えて、凍えて、暑さに苦しんで――....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
に包囲している。一番外側の聴音隊は、北から西へ廻って云ってみると、埼玉県の粕壁、
川越、東京府へ入って八王子、神奈川県の相模川に沿って鎌倉へぬけ、観音崎までゆく。....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ぬか、あの雲、あの土の下に眠った事を、昔話のように聞いていた。 ――家は、もと
川越の藩士である。御存じ……と申出るほどの事もあるまい。石州浜田六万四千石……船....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
清次(左団次)丈助の娘おいさ(源之助)重次郎の姉おまき(秀調)で、団十郎の丈助は
川越藩の家老である。維新後に上京して宿屋を開業したが、士族の商法で思わしくない。....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
は関川の流れを越して斑尾の連山。この峡間の関山宿に一泊あり。明くる日は大田切、関
川越して野尻近き頃は、夏の日も大分傾き、黒姫おろしが涼しさに過ぎた。今宵の本陣は....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
時の隠れ家として、おもむろに風雲をうかがっていた彼は、その後小さい一座を作って、
川越あたりの近県を巡業していることが新聞紙上に一、二度報道されたように記憶してい....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
若い美くしい寡婦は賢にして能く婦道を守って淡島屋の暖簾を傷つけなかった。 爰に
川越在の小ヶ谷村に内田という豪農があった。(今でもその家は歴とした豪農である。)....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
に庵を移して種玉庵といった。応仁乱がはじまると関東に逃れ、文明元年心敬の供をして
川越の太田道灌のもとに招かれた。それから美濃の郡上城に赴いて常縁から古今の伝授を....