川越し[語句情報] » 川越し

「川越し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

川越しの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
隔っていた。僕等はいずれも腹這《はらば》いになり、陽炎《かげろう》の立った砂浜を川越しに透かして眺めたりした。砂浜の上には青いものが一すじ、リボンほどの幅にゆら....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
に魅せられて、傍で茹《ゆ》で卵など剥《む》いていた。 「この間、島田で、大井川の川越しに使った蓮台を持ってる家を見付けた。あんたに逢ったら教えて上げようと思って....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、どうしたのかがんりきの百蔵はまるきり音沙汰がありません。 前の時には、大勢の川越し人足がいたけれども、今は水の出も少ないし、人足でなしに、橋を架《か》けて橋....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
やめなさい。式部かねて承るに大井川の川底の形状変転常なく、その瀬その淵の深浅は、川越しの人夫さえ踏違えることしばしば有りとの事、いわんや他国のわれら、抜山の勇あ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
出立。 上野原を出て少しばかり坂を下ると、もうすぐに川であります。川の両岸には川越しの小屋が立っていて、真裸《まっぱだか》になった川越し人足が六七人ほど、散ら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うしてもそれよりは進めないところに来ました。 進めないわけではないが、進むには川越しをしなければならぬ。ただ、この場合、衣裳をからげて、川越しをしてまで前進す....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
突っかかって来たら、縦横無尽に突き立てるつもりか知らん。いつか甲州道中の鶴川で、川越し人足を相手にやった二の舞を、そこでもやり出すつもりか知らん。あの時は幸いに....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
行も川止にあわぬようあわぬようと念じつつ行ったが、大井川は無事に越した。こういう川越しの際の人足もその役筋から雇ってくれるので安かった。私も台輿で渡ったが目がま....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
のまむかいなんだが、お前は、はてな、とも思わないのか」 ひょろ松は笑って、 「川越しに、金座から放火《つけび》でもしたわけでもありますまい、それが、なぜ妙なん....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
は関川の流れを越して斑尾の連山。この峡間の関山宿に一泊あり。明くる日は大田切、関川越して野尻近き頃は、夏の日も大分傾き、黒姫おろしが涼しさに過ぎた。今宵の本陣は....