巡る[語句情報] »
巡る
「巡る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巡るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
中道めぐり」と称して、山腹の五、六合目の間を一匝《いっそう》する道がある。これを
巡ると、大宮口から吉田口に到るまでの間に殊に多く灰青色の堅緻なる熔岩流があり、漆....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
奴はおれから奪ろうとしているのじゃないのか?) 敬二郎は身内に、鋭い銀線の駆け
巡るような衝撃を感じた。 (正勝の奴と紀久ちゃんとは兄妹のようにして育ったのだし....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いと主張することができようか。』『この精霊や天使等の間では、太陰やまた木星土星を
巡る月、すなわち、衛星にも住民がいることは周知のことである。』その住民というのは....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
纈城の城主の顔を、一度でもいいから見たいものだ……」 大河の音と欷歔の声と飛び
巡る蝙蝠の羽音とが相|錯雑して聞こえて来る。 「……この心願、この執着、これはも....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
、昆虫館の建物の前へ、牀几《しょうぎ》を出して腰かけている。 人々が八方へ駈け
巡る。伝令が四方へ飛んで行く。遠くで鉄砲の音がする。恐らく試射をやっているのであ....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
後まで、手助けをしてやろうと決心した。 「承知」 と一声簡単にいったが、築山を
巡ると泉水へ出、石橋を向こうへ渡り越した。 行く手に建物が立っている。廻廊で母....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
河の面てには靄立ち罩め、纜った船も未だ醒めず、動くものと云えば無数の鴎が飛び翔け
巡る姿ばかりである。 「ああすがすがしい景色ではある」 いつか歯痛も納まって、....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
が内から開き、 「おい忠蔵!」とお菊の声。 無言で忠蔵は眼を上げた。 「因果は
巡る小車の、とんだ事になったねえ。ホッホッホッホッ」と凄く笑う。 しかし忠蔵は....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
ると、その声はいよいよ鮮になった。 正しくそれは人の唸り声だ※ 急ぎその岩を
巡ると、広い一室の真中に、一箇の蝋燭が今にも消えんばかりに点って、ほの白く四辺を....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
方へは進もうともせず岸から十間の距離をへだててただ岸姿に横へ横へとあたかも湖水を
巡るかのように急速に革船は廻り出した。 その時ラシイヌの鋭い声が私達の耳を貫い....
「外米と農民」より 著者:黒島伝治
。宿屋に泊る客も勿論外米を食うべきである。が、この頃、私の地方の島で四国の遍路に
巡る一日五六百人から千人近くの人々にも外米は評判が悪い。路々ぶつ/\小言を云いな....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
しいアイヌの心 力ある兄の言葉に励まされ 涙に脆い父と別るる コタンからコタンを
巡るも楽しけれ 絵の旅 詩の旅 伝説の旅 暦無くとも鰊来るのを春とした コタンの....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
金虫は囁くような恋の唸りや、訴えるような羽音をさせて、花から花、梢から梢へと飛び
巡る。物の音色、光や陰には優しい艶が着き、人々の眼差しには、たえられぬ内心の悶え....
「妖怪学」より 著者:井上円了
方位凶殺の悪方を免れんとするときは、年月日時のその人の星に相生するの、吉星の
巡る方の神仏の地より砂を取りきたり、その宅の殺方へまくべし。もし堂宮の吉方になき....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
すから大いに悦んで、こういうお方と一緒になったのはありがたい、カン・リンボチェを
巡るこの二月ほどの間は、一緒にお給仕を申し上げたいものである。そうすれば我々の罪....