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「巡察〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巡察の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
の虎の主ポヤンの機嫌を損じた報いと信ぜらると見ゆ、一八三二年インドのマニプル州を巡察したグランド大尉の説に、クボ人はこの辺の虎滅多に人を襲わぬとて、虎に近くいる....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れより先日没後に、ブラーエはオーヘム大佐に従いて、戦闘最も激烈なりし四風車地点を巡察の途中、彼の慓悍なる狙撃の的となりし者を指摘す。曰く、ベルトルト・ヴァルスタ....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ぶした。彼はホッとした。そして長い頸を垂れた鶩の脚を提げて立ちあがった。その時、巡察将校に見つかってしまった。 彼は、償勤兵となったことを、恥ずかしがりもしな....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
人のものが集まった記事なぞも出て来た。その席に参列した先輩師岡正胤は当時|弾正大巡察であり、権田直助は大学|中博士であり、三輪田元綱は大学|少丞であった。婦人な....
嬌娜」より 著者:田中貢太郎
地で一人の男の子を生んだので、小宦と名をつけた。孔生は朝廷から差遣せられて地方を巡察する直指に忤うたがために官を罷めさせられたが、いろいろのことに妨げられてかえ....
ソヴェト文壇の現状」より 著者:宮本百合子
で、積極的な集団農場組織者だった村ソヴェトの役員が、或る日中央からの党員と、管内巡察に出かけた。森にかかった。いきなり道ばたの数丈もある杉の木が彼等ののってる荷....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いた。鬼の飛び去るのに似よった震えが、草むらの中にはあった。 イギリスの陣営の巡察や巡邏《じゅんら》の兵士らのゆききする足音が、ぼんやり遠くに聞こえていた。 ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
しょに裏町やテント張りのストリップやマーケットなどへ見物にでむくと、私服の案内で巡察にきた何かのように間違えられて、ストリップが突然着物をきて、全然ハダカになら....
魔都」より 著者:久生十蘭
ませんでした」 真名古は二番目の銃士に合図をする。第二の男は進み出て、 「慰労巡察の警視総監が赤坂区第五歳晩警戒哨、溜池交叉点を通過になった時間は午前三時五十....
監獄部屋」より 著者:羽志主水
は随分目につくので、何かなければ良いがと思わせる。 午前十一時頃、見張の者から巡察官の一行が二里程先の「五本松」の出端に見えたとの報せは、殆んど万歳を喚起《よ....
「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
れを攻究してみたい。 先住土着の民族の綏撫同化の事蹟については、四道将軍の地方巡察、景行天皇の熊襲親征、日本武尊の西征東伐等、我が古史の伝うる所、またあえて尠....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
示すところによりますと、むかし景行天皇の御代に当って、武内宿禰が勅を奉じて東国を巡察致しまして、蝦夷という変った民族の住んでいたことを復命致しております。その蝦....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ナ、朝鮮、満州、蒙古、日本等にあるものは北部派なり。 政教子、欧米政教の事情を巡察して、政教の関係に三種あることを発見せり。その第一は国教にして、これ政教混同....
三国志」より 著者:吉川英治
この人はかつて、盧植をおとしいれた黄門左豊などと共に、監軍の勅使として、征野へ巡察に来たことがある。その折、玄徳とも知って、お互いに世事を談じ、抱懐を話し合っ....
三国志」より 著者:吉川英治
み、水はこの数艘を送って、呉の北岸へ送った。――折ふし呉の大都督|周瑜は、軍中を巡察中だったが、いま敵の陣から、二人の将が、兵五百をつれて、投降してきたと聞くと....