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巡行
「巡行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巡行の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
なすって、え、どうしょうねえ」 とおぼえず、声を放ちたり。 少し距離を隔てて
巡行せる八田巡査は思わず一足前に進みぬ。渠《かれ》はそこを通り過ぎんと思いしなら....
「琴のそら音」より 著者:夏目漱石
と婆さんは云い合したように顔を見合せる。両方共何とも答をしない。 「実は今ここを
巡行するとね、何だか黒い影が御門から出て行きましたから……」 婆さんの顔は土の....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
えが、どうだえ」 又「これは至極妙策、成程|宜い策だが、ポッポと火を焚いたら、又
巡行の査官に認められ、何故火を焚くと云って咎められやしないか」 車「大丈夫だよ、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
も、座光寺の北原家にも、飯田の桜井家にも、あるいは山吹の片桐家にもというふうに、
巡行寄食して隠れていられるのも、伊那の谷なればこそだ。また、たとえば長谷川鉄之進....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
映画によると、ギムナジゥムの謹厳な教授が、女芸人に迷って学校をやめ、一行と一緒に
巡行してあるく内、母校の所在地で舞台がかかる時鶏の鳴き真似を強いられたので、発作....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
たけ》を眼分量に見積ッていたが、それでも何とも言わずにまた彼方《あちら》の方へと
巡行して往ッた。 愕然《がくぜん》として文三が、夢の覚めたような面相《かおつき....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
んし、由兵衞はぶる/\して役に立ちませんから、幸三郎が自身に駈出して参ると、丁度
巡行の査公に出会いました。 五十三 幸「只今|私宅へ強盗が押入り....
「露肆」より 著者:泉鏡花
の露店は皆仕舞うたんじゃ。それで無うてから既に露店の許された時間は経過して、僅に
巡行の警官が見て見ぬ振という特別の慈悲を便りに、ぼんやりと寂しい街路の霧になって....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
察に頼み聞えると、両国|回向院のかの鼠小憎の墓前に、居眠をしていた小憎があった。
巡行の巡査が怪んで引立て、最寄の警察で取調べたのが、俵町の裏長屋に居たそれだと謂....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
月光を仰ぎ見て作れる歌一首」という題詞と、「右件の歌詞は、春の出挙に依りて諸郡を
巡行す。当時|属目する所之を作る」という左注との附いている歌である。治布は治府即....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
、けれども満ちたりたよろこびなどはすこしもなかった。もっとも以前ひそかにこの府内
巡行をはじめた最初のうちは、彼にもそうした悪戯《いたずら》げな気もちが、まんざら....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かするつもりのようです。わたしは仰せかしこみともかく開成山へ参ります。そして東北
巡行をやっていろいろ研究して見ましょう。どこもなかなか人ごみらしい風です。 七....
「技術へ行く問題」より 著者:戸坂潤
社からラジウムを買って貰わなければならず、そのお礼に、アメリカ中を見世物のように
巡行しなければならなくなった。併し夫人は、之でいいのだと清々しく諦観しているので....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
あらねば、次第に更けて人の通りの少なくなるを心待にして西へ東へと行きかえるうち、
巡行の巡査の見咎むるところとなり、「御身は何の所用ありてこの橋上を徘徊さるるぞ」....