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巡見
「巡見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巡見の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いったい、事実上、それを道庵先生自身が、どう処分するのか。
このプログラム通り
巡見するとすれば、かけ足で通っても十日はかかるだろう。前途日程、限りあるこのたび....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と清次郎が話した。 この年、またまた、兄と越後蒲原郡水原の陣屋へ行った。四方八方
巡見したが面白かった。越後には支配所のうちには大百姓がいる故、いろいろ珍しき物も....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
学士を、しみじみと感謝の念で見上げた。本田は立ち上った。室の中に懸っている絵を一
巡見廻わした。それから、黙って出て行った。木下は急に深い淋しさに襲われた。無関心....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ないで答えた。それから、のそのそと立ち上って、あっけにとられているみんなの顔を一
巡見まわしたあと、默って教室を出て行ってしまった。 次郎が出て行くのとほとんど....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
文字の異国の書籍、水盤に入れられた真紅の小魚……もちろんいちいちそれらの物が、一
巡見渡した銀之丞の眼に、理解されて映ったのではなかったけれど、しかし決して夢では....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
それはほかに少し目的があるので、すなわち私の監督しておりまする哲学館拡張のために
巡見することでござりますが、その傍らに妖怪に関する事実を集めたいと思っております....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
その会堂は、ヤソ会堂のわが国にあるもののうち最も大なるものなり。これ、余が欧米を
巡見して、大いにこの点に感覚を起こしたるゆえんなり。 西洋に女権の盛んなるは米....
「西航日録」より 著者:井上円了
等に乗り、酒はやめタバコもやめて、倹約をもっぱらにしているのである。) その間
巡見せる所は、博物館、美術館、動物園、植物園、大小公園、水晶宮等、いちいち記する....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
度に上るも、日没後は大いに清涼を覚ゆ。副領事杉村恒造氏とともに電車に駕して市内を
巡見し、公園に佇立して楽隊の奏楽を聞く。当日はイースターの大祭日なれば、園内の群....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
でおらと三人、一しょに歩いて来たのさ」 小柳生城の外形と、柳生谷の土地がらを一
巡見て歩いて、武蔵はやがて、 「帰ろう」 と、元の方角へ足を向ける。 旅籠は....
「三国志」より 著者:吉川英治
こういう注意があったため、魏延の陣地でも、黄忠のほうでも、連絡を密にして、昼夜
巡見を怠らずにいた。 そのため、※城の鋤鍬部隊は、毎夜のように堤防をうかがうが....
「三国志」より 著者:吉川英治
た。 人々はあやしんで何処へお渡り遊ばすかと、訊ねた。すると孔明は、 「陣中を
巡見する」といって、すでに起って、自ら清衣にあらためた。 命|旦夕に迫りながら....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
馬を貸せ。そちの書写山を」 「どうぞ。――どこへお出ましで」 「味方の諸陣地を一
巡見て来たい」 「では、お供仕りましょう」 母里太兵衛は、主人の駒につづいた。....
「狐」より 著者:永井荷風
す唐傘《からかさ》を取り、勝手口の外、井戸端の傍《そば》なる※小屋《とりごや》を
巡見《じゅんけん》にと出掛ける。 「母さん。私も行きたい。」 「風邪引くといけま....