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「巡視〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巡視の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
七郷の人々合力の誠を尽くし、こぞって市九郎を援け始めた。その年、中津藩の郡奉行が巡視して、市九郎に対して、奇特の言葉を下した。近郷近在から、三十人に近い石工があ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と云えば、わずかに初期の手砲を二つ三つ見るにすぎなかった。しかし、それ等陳列品を巡視しているうちに、恐らく法水は、彼が珍蔵しているグロースの「古代軍器書」を、こ....
大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
塙直之戦死 大阪方でも、戦備に忙しく、新規浪人を募集し、秀頼自ら巡視した。「茜の吹貫二十本、金の切先の旗十本、千本|鑓、瓢箪の御馬印、太閤様御旗....
小田原陣」より 著者:菊池寛
とにかく秀吉は、斯んな流言を有害と見做して、早速取消運動にかかって居る。自ら巡視と称して刀を従者に預けたまま、小姓四五人を連れて大声をあげて家康の陣に行き、....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
そばから、塀のように、又、別の箇所へ積み重ねられる。いくら作っても足りない。警戒巡視に出る人員がきめられる。歩哨がきめられる。当番卒がきめられる。炊事当番がきめ....
超人間X号」より 著者:海野十三
のであった。 きょうも測定|当直《とうちょく》の古山《ふるやま》氏ほか二人と、巡視《じゅんし》がすんで休憩中《きゅうけいちゅう》の大池《おおいけ》さんと江川《....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
彼は、すこしも睡《ねむ》れなかった――と思っていた。 しかし、夜中に営内の巡視《じゅんし》が、彼の寝ている部屋へも廻ってきたとき、彼、岡部伍長は、たしかに....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
方と同じであったのですが、始めは気がつきませんでした。 「化物はどうしたな、オイ巡視だッ」白木警部の呶鳴る声がしました。 私もその声に、ハッキリと目が醒めまし....
次郎物語」より 著者:下村湖人
それでほっとしたにちがいないと思うが――そのせっぱつまった場合に、ひょっくり校内巡視の先生がやって来たのである。 巡視は当番制で、ほとんど大ていの先生に割当て....
いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
かつた。むしろ、例の反省録へ、――余は本日自習時間に居眠りをなしたり。生徒監殿の巡視によつて眼を覚したるも、抑も貴重なるこの時間を……などと、さもそのことを神妙....
アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
チョコレートを頬ばりながら先生の講義をきいている。神経質らしい校長のお婆あさんが巡視に来ても、先生のお尻は机の上から一分も一寸も離れない。生徒の教科書をのぞくと....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
て峯吉の採炭場へ近づくにつれ、お品の足は軽くなるのであった。 片盤坑の途中で、巡視に出たらしい監督や技師に逢ったきり、会社の男にぶつからなかったお品は、最後の....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
りたる者にて、流石は外交家の手腕を見るべし。かくて事の漸く進むや外国奉行等は近海巡視など称し幕府の小軍艦に乗じて頻々公使の許に往復し、他の外国人の知ぬ間に約束成....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
いて(「陰陽町唱門ヶ辻子の条」)、「往年唱門師当地に住して、興福寺に属す。民家を巡視して非違を告知らしむ。漫りに権威をなす」といっているのは、よくその状態を示し....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
あるとはいえ、旧加賀藩の時代に於ても山廻り役なるものがあって、数年毎に黒部奥山を巡視し、其間黒部川の一部に触れたことは、記録に存しているし、又天保頃の作と想われ....