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工事中
「工事中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
工事中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
た。 「どうも困ったな」 一行は思案の末に何事をか考え付いた。都の渾天寺は今や
工事中で、役夫が数百人もあつまっている。その一室を空明きにさせて、まん中に大|瓶....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、共に炎上した。将軍家ですら田安御殿の方に移り住むと聞くころだ。西丸だけは復興の
工事中であるが、それすら幕府御勘定所のやり繰りで、諸国の町人百姓から上納した百両....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
と言ってある。おそらくこの工事に費やされたる労力および費用は莫大なものであろう、
工事中海波のため二回までも破壊され、日本の一勇士が身を海中に投じて海神の怒りをし....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
むこともできないような不幸な薄暗さがあたりを支配していた。その間にあって、東山道
工事中の鉄道幹線建設に対する政府の方針はにわかに東海道に改められ、私設鉄道の計画....
「嵐」より 著者:島崎藤村
ていた。太郎もすでに四年の耕作の見習いを終わり、雇い入れた一人の婆やを相手にまだ
工事中の新しい家のほうに移ったと知らせて来た。彼もどうやら若い農夫として立って行....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
た無残な光景を見ると、今更のように何とも云い知れない一種の無常を感じた。 猶だ
工事中の新築の角を折れて、仮に新築の一部に設けた受附へ行くと、狭い入口が見舞人で....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
て煤煙の被害は遠方の部落にまで及んで行った。煉瓦を積んだ荷馬車が、何台も何台も、
工事中の仮駅へ向けて行列をつくった。道路には幾本もの深い轍が立って、九年の間、苗....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
大がかりのすばらしいものであるかがわかるだろう。しかし、わが海底要塞はなお数箇所
工事中である。そこに、君の智慧を借りたいところがあるのだ。また、わが海底要塞が、....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
えた。 無念のなみだがきらりと頬をつたった。 飛行島の大秘密 ここ建設
工事中の飛行島の最上甲板であった。 白髪|赭顔の、飛行島建設団長リット少将と、....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
いる。そこで、私は現代にあって、最も困難な絵画芸術に志す若き人たちに対して、この
工事中の混乱に向うべき心構えについて、いささか私の考えを不完全ながら述べたつもり....
「大震火災記」より 著者:鈴木三重吉
は消しとめたそうですが、それ以上にはもう力がおよばなかったのです。大きな工場や、
工事中のビルヂィングなぞには、地震でがらがらとつぶされて、一どに何百人という人が....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
つく。ひとしきり来る村雨に鮎の鮓売る男の袖しとゞなるもあわれ。このあたり複線路の
工事中と見えたり。山霧深うして記号標の芒の中に淋しげなる、霜夜の頃やいかに淋しか....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
戦火でやける前の仙台の街は知らないが、戦後の仙台は新しい大通りを新設し、現在は
工事中で汚いけれども、相当な明るい街に復興しつつある。仙台には火事が多く、強風の....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
女も通る、小児も通る。この人々の阿父さんや祖父さんは、六十年|前にここを過ぎて、
工事中のお台場を望んで、「まあ、これが出来れば大丈夫だ」と、心強く感じたに相違な....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
。それはおそらく小学時代の僕一人の恐怖ではなかったのであろう。なんでも総武鉄道の
工事中にそこへかよっていた線路工夫の一人は、宵闇の中に幽霊を見、気絶してしまった....