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「工員〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

工員の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ヴィヨンの妻」より 著者:太宰治
ている。お送りしましょう」 とお店に一人のこっていた二十五、六の、痩せて小柄な工員ふうのお客さんが、まじめな顔をして立ち上りました。それは、私には今夜がはじめ....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
ちの商店や工場からぞろぞろと飯を食いに出てくる女という意味で、いろんな女店員や女工員を総称するパリ語だ。そしてこのミディネットがやはり、正午のやすみ時間に、本職....
地獄の使者」より 著者:海野十三
に見つかった。井東参吉というのが、その指紋の主であったのだ。彼井東は、この工場の工員の一人であって、試験部附の缶詰係だった。つまりこの工場で、まだ売出し前の食料....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
は、城南方面であった。 この方面には、十台のトラックがつづいた。どの工場でも、工員たちから、ものすごい歓迎をうけた。 「まあ、きれいな花籠だこと」 「こんなに....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
人も乗っているのですね」 「そうです。目下判明しているのは二人だけです。一人は縫工員のベルガア夫人で、これは妊娠九ヶ月、もう一人は宣伝長イレネ女史で同じく四ヶ月....
原爆詩集」より 著者:峠三吉
おくっている。 六日め むこうの柱のかげで全身の繃帯から眼だけ出している若い工員が、ほそぼそと「君が代」をうたう。 「敵のB29が何だ、われに零戦、はやてが....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
は重ねられていた。私はその手から胸へ上体へと目を移し顔まで来た。戦闘帽をかぶった工員風の若い男であった。私は自分の手をその手の中から脱出させることを試みた。する....
崖下の池」より 著者:豊島与志雄
かく、何がいるか、池浚えをやりましょう。会社にポンプもあればガソリンもあります。工員を二三人ひっぱって来れば、充分でしょう。早速とりかかりましょう。」 「まあい....
反スタイルの記」より 著者:坂口安吾
だと考えていると、私の兄が軍需会社にいるものだから、その薬なら会社にある、夜業に工員にのませているのだ、といって、持ってきてくれた。ヒロポンが五粒に、胃の薬をま....
桐生通信」より 著者:坂口安吾
ら、私も仲間にいれてもらった。この会費は月に二百円である。 三時のポーが鳴ると工員たちが手に手にゴルフの棒を三本ないし一本握ってかけつける。三、四名ずつそれぞ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
いですか」 「工場ははるか亀戸にあるそうです。戦時中、ここに何万という(嘘ツケ)工員が白ハチマキをして、住んでおりまして、講堂でノリトをあげて、それより木銃をか....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
ん。それから先のことは、お互に分りゃしませんよ。私はどこかの工場へ勤めますよ。一工員にすぎません」 彼はふりむいて、焼跡や防空壕をほじって品物を探しはじめた。....
火の扉」より 著者:岸田国士
。以前はバスがあつたんだがね、終戦後、それも休んでるから、みんな歩くんです。もう工員もたんとおらんしなあ。幹部の将校が二、三人残つとるらしいね。だれを訪ねるんで....
もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
ゴのまじった赤黒いパンをかじっていたころを思いだすよ。近所の防空壕で五人の屈強な工員が窒息で死んだ。うららかな白昼、そこを通りかかったら、三人のこれも工員らしい....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
まくったら、つぎの日からは見るのもいやになる。 あとできいた話だが、製菓工場の工員や菓子屋の店員は、初め私と同じようにするそうだが、それからはピタリと菓子を食....