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「工手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

工手の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
の金を儲《もう》けた。 かくてその歳も暮れ、二十八年の春になって、彼は首尾よく工手学校の夜学部に入学しえたのである。 かつ問いかつ聞いているうちに夕暮近くな....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
なかった。 「あの時、同じ救い出された三人のうちで、たしか弓削《ゆげ》とかいう、工手の方がおりましたわね。その方が、私にこういう事実を教えてくれました。なんでも....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
ろが、この意外にも奇妙な決定を裏書する報告が、それから二時間程後にH駅所属の線路工手に依って齎らされました。と言うのはですな、H駅を去る西方約六|哩、B駅近くの....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
云うのだ、此様に直ぐ毀れる物を納めるのア注文先へ対して不実というものだ、是で高い工手間を取ろうとは盗人より太え了簡だ」 と止途なく罵ります。 ....
太郎坊」より 著者:幸田露伴
っとした菫花の模様で、焼も余りよくありませんが、こちらは中は金襴地で外は青華で、工手間もかかっていれば出来もいいし、まあ永楽という中にもこれ等は極上という手だ、....
丹下左膳」より 著者:林不忘
かげん一つで刃味も品格も、すべて刀の上《じょう》あがり不あがりが一決するのだから工手は、人を払って一心不乱に神仏を念ずるのがつねだった。 こうして、やいば渡し....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
った。 が、直ぐにあとから駈けつけた技師の手で坑道の上へ叩きつけられた。続いて工手が駈けつけると、監督は防火扉の隙間に塗りこめる粘土をとりに駈けだして行った。....
二階から」より 著者:岡本綺堂
あろう。 昼休みの時に、彼は語った。 自分はこの商売をしないつもりで、築地の工手学校に通っていた。もう一年で卒業という間際に父に死なれた。とても学校などへ行....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
回の出帆計画の条に、僧十七人、玉作人、画師、彫仏、刻鏤、鋳、写繍師、修文、鐫碑等工手、都合八十五人とあるによって判ずれば、鑑真が美術家を連れて来たがったことは明....
活人形」より 著者:泉鏡花
り出し、「へん、好い面の皮だ。嫌否なものなら貰いますまい。女|旱はしはしまいし。工手間が懸るんなら破談にするぜ。と不興の体に得三は苛立ちて、「汝、渋太い阿魔だな....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
ち十二月に入ると霙《みぞれ》が降り、寒風が吹き込み、仮舎では暮らせなくなった。大工手間も近郊から出てくるようになり、資材も出回りはじめた。兄弟、従兄弟は協力した....