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左官
「左官〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
左官の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「捨児」より 著者:芥川竜之介
かも知れませんが、日錚和尚《にっそうおしょう》と云う人は、もと深川《ふかがわ》の
左官だったのが、十九の年に足場から落ちて、一時|正気《しょうき》を失った後《のち....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
袂を左へ切れて、人通りの少い竪川《たてかわ》河岸を二つ目の方へ一町ばかり行くと、
左官屋と荒物屋との間に挟《はさ》まって、竹格子《たけごうし》の窓のついた、煤だら....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
送ってやらなければならぬ。 作楽井は器用な男だったので、表具やちょっとした建具
左官の仕事は出来る。自分で襖《ふすま》を張り替えてそれに書や画もかく。こんなこと....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 「毎度ありがとうございます」 「時におふくろも兄貴も達者かえ」 お吉の兄は
左官で、阿母はもう五十を越しているということを半七は識っていた。 「はい、おかげ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
で額をふきながら出て来た。 「旦那、徳がとうとう死にましたよ。」 「徳さん……。
左官屋の徳さんが……。」 「ええ、けさ死んだそうで、今あの書生さんから聞きました....
「春昼」より 著者:泉鏡花
てないのは殆どない。 彫金というのがある、魚政というのがある、屋根安、大工鉄、
左官金。東京の浅草に、深川に。周防国、美濃、近江、加賀、能登、越前、肥後の熊本、....
「東京要塞」より 著者:海野十三
。それに、私は名刺なんか持っていないんです。月島二丁目に住んでいる正木正太という
左官なんです」 「ええっ、
左官。するとお前さんは、近頃のコンクリート工事なんかや....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
どのに誂えて、それから浴室へ下りて一浴した。……成程、屋の内は大普請らしい。大工
左官がそちこちを、真昼間の夜討のように働く。……ちょうな、鋸、鉄鎚の賑かな音。―....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
る間に、なに心なく普請場を覗きに行ったんでしょう。その時はちょうど午休みで大工も
左官もどこへか行っていて、あの西山がたった一人、何か削り物をしていたんです。姉妹....
「鯉」より 著者:岡本綺堂
。かの鯉を生捕ったのは新堀河岸の材木屋の奉公人、佐吉、茂平、与次郎の三人と近所の
左官屋七蔵、桶屋の徳助で、文字友から貰った一朱の銀で酒を買い、さかなを買って、景....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
ない放蕩者で、若いときから町屋の住居をして、それからそれへと流れ渡って、とうとう
左官屋になってしまいました。それでもだんだんに年を取るにつれて、職もおぼえ、人間....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
すよ。」 「それじゃあ、その男というのがこの辺にいるんでしょうか。」と、となりの
左官屋のむすめが訊きました。 「大方そうでしょうよ。うっかり出て来ると面倒だと思....
「放し鰻」より 著者:岡本綺堂
うにうめいていたが、やがてあることを思い付いた。彼はすぐにまた飛び出して、町内の
左官屋の親方の家へ駈け込んだ。
左官屋の親方はたくさんの出入り場を持っていて工....
「おせっかい夫人」より 著者:岡本かの子
を信用し気の毒がりました。 花子夫人は黄い声になり大げさに梯子の必要を前の家の
左官のおかみさんに説き、中位なのを一つ借りて来て男に手伝わせ国枝さんの湯殿の上部....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
参詣かたがた……は勿体ないが、野掛として河原で一杯、茶飯と出ようと、四谷辺の大工
左官など五六人。芝、品川の海の景色、のびのびと、足にまかせて大森の宿中まで行くと....