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左手
「左手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
左手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
。後ろを見ると、うす暗い中に、一体の金剛力士が青蓮花《あおれんげ》を踏みながら、
左手の杵《きね》を高くあげて、胸のあたりに燕《つばくら》の糞《ふん》をつけたまま....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
《はんがみしも》に、無腰《むごし》と云う着附けである。
すると、大名の人形が、
左手《ゆんで》を小さ刀《がたな》の柄《つか》にかけながら、右手《めて》の中啓《ち....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
きの竹を差《さ》し物《もの》に代え、右手《めて》に三尺五寸の太刀《たち》を抜き、
左手《ゆんで》に赤紙の扇《おうぎ》を開き、『人の若衆《わかしゅ》を盗むよりしては....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
梢《こずえ》にひらめいています。
「今度は右の手を御放《おはな》し。」
権助は
左手にしっかりと、松の太枝をおさえながら、そろそろ右の手を放しました。
「それか....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
赤青黄の紙を刻んだ、小さな幣束《へいそく》が三四本、恭しげに飾ってある、――その
左手の縁側の外は、すぐに竪川の流でしょう。思いなしか、立て切った障子に響いて、か....
「或る女」より 著者:有島武郎
へと急いだ。改札はこの二人《ふたり》の乗客を苦々《にがにが》しげに見やりながら、
左手を延ばして待っていた。二人がてんでんに切符を出そうとする時、
「若奥様、これ....
「或る女」より 著者:有島武郎
りその人たちは不思議に人をひきつける葉子の姿に目をそばだてた。けれども葉子はもう
左手の小指を器用に折り曲げて、左の鬢《びん》のほつれ毛を美しくかき上げるあの嬌態....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
やがて畦道《あぜみち》が二つになる所で笠井は立停った。
「この道をな、こう行くと
左手にさえて小屋が見えようがの。な」
仁右衛門は黒い地平線をすかして見ながら、....
「星座」より 著者:有島武郎
かった。その暗闇の中を園は昇っていった。何んの気だか自分にもよくは解らなかった。
左手には小さなシラーの詩集を持って。頂上には、おもに堅い木で作った大きな歯車《は....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
着の姿は、年も二ツ三ツ長けて大人びて、愛らしいよりも艶麗であった。 風呂敷包を
左手に載せて、左の方へ附いたのは、大一番の円髷だけれども、花簪の下になって、脊が....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。神の定めに また谷々も広き野原も また岩山も緑茂る森も出できぬ。 神はまた天の
左手の側に 二つの帯を作りまた右手に二つ 真ん中には火光に燃ゆる第五帯を作りまた....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れいな白砂を踏んで東へ東へと進みました。右手はのたりのたりといかにも長閑な海原、
左手はこんもりと樹木の茂った丘つづき、どう見ても三浦の南海岸をもう少しきれいにし....
「初雪」より 著者:秋田滋
畑のうえに舞い降り、やがてまた、どことも知れず飛び去ってゆくのだった。 屋敷の
左手に大きな山毛欅の木が幾株かある。四時頃になると、もの淋しい鴉の群はそこへ来て....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
ああ、雨飾山が見える!」と慎太郎さんが叫んだ。「見える、見える!」と私も叫んだ。
左手はるかに白馬の山々が、恐ろしいほどの雪をかぶっている。だが私どもは、雪も何も....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
まで痿やして。』と言いつつ例の如く、直ちに水押の上に俯して、半身殆ど船外に出し、
左手を伸べて、綸を拇指と示指の間に受け、船底にかき込まるるを防ぎ、右手に玉網の柄....