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左様
「左様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
左様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
ら心配した所で、どうにもなる訳のものではない。まあこのままでペンを擱《お》こう。
左様《さよう》なら。お君さん。では今夜もあの晩のように、ここからいそいそ出て行っ....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
いました。」
「それは何か申した声に聞き覚えがあったと申すのじゃな?」
「いえ、
左様ではございませぬ。」
「ではなぜ数馬と悟《さと》ったのじゃ?」
治修はじっ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
よこしよ。うちにいれば二三年|中《うち》には、きっと仙人にして見せるから。」
「
左様《さよう》ですか? それは善い事を伺いました。では何分願います。どうも仙人と....
「運」より 著者:芥川竜之介
不相変《あいかわらず》、観音様《かんのんさま》へ参詣する人が多いようだね。」
「
左様でございます。」
陶器師《すえものつくり》は、仕事に気をとられていたせいか....
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
な格好の物で、夏目さん自身も嫌で仕様がないとこぼしておられたことを記憶している。
左様、原稿紙も支那風のもので……。特に夏目漱石さんの嫌いなものはブリウブラクのイ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
OAKの放送は、戦闘終了の時期まで、一と先ず中断いたすことになって居りますので、
左様ご承知下さいまし」 人々の顔には、次第に不安の色が深く刻まれて行った。 「....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
、その金青年お流れの煙草に、パッと火をつけて貪るように吸って、黄色い声をあげる。
左様に豪勢な(併し不思議な)人気を背負っている金青年の心は一体誰の上にあったかと....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
察のために棄置かん、直ちに貴公のその額へ、白墨で、輪を付けて、交番へ引張るでな、
左様思え、はははは。」 「串戯をいっちゃあ不可ません。」 「何、構わず遣るぞ。癪....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
んと茂った、相当険しい山でございます。あの、現界の景色と同一かと仰ッしゃるか……
左様でございます。格別異っても居りませぬが、ただ現界の山よりは何やら奥深く、神さ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
り小こいので、お客様方には十六と申す事に、師匠も言いきけてはありますし、当人も、
左様に人様には申しておりましたが、この川の下流の釜ヶ淵――いえ、もし、渡月橋で見....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
と、いきなり言います。私は吃驚しました。 お米さんが、しなよく頷きますと、 「
左様か。」 と言って、これから滔々と弁じ出した。その弁ずるのが都会における私ど....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
そひそ囁き交したる後」莫迦莫迦しさをも承知した上、「わざと取ってつけたように高く
左様なら」と云い合いて、別れ別れに一方は大路へ、一方は小路へ、姿を下駄音と共に消....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、「ええ! それでは何だな。お前を疑う様な挙動があったというのは彼奴か。「へい、
左様でござい。恐怖え眼をして我をじろりと見た。「こりゃ飛んだ事になって来た。と一....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
、此の松吉の顔が立ちませんから、ちと心配しましたよ。ただ、何の事は無い、「素人で
左様釣っては、商売人の顔を踏み付けた仕打ちだ、大抵好い加減に釣ってれば好いに」と....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
滅戦略で敵に大衝撃を与えて戦争の決を求めんと努力すべきであるが、かならずしも常に
左様にばかりあり得ないで、消耗戦略に依り会戦によって敵を打撃する方法の外、或いは....