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「左眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

左眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ち冒頭の一章に吸い付けられて行った。 ――××六年九月四日、余は岩礁の間より、左眼失明せる二十六、七歳の美わしき漂流婦人を救えり。所持品により、本籍並びに番匠....
放送された遺言」より 著者:海野十三
つけ、幸福をうばい、あまつさえ彼らの利害には何の関係もないはずの私の片腕を折り、左眼をつぶしてしまったのである。あらゆる新聞紙は「人類の賊」とか、「平和の攪乱者....
間諜座事件」より 著者:海野十三
方に寄せる必要がある。その時に顔を曲げねばならぬ。このとき人間は首を左へ曲げる!左眼の悪い人間は、つまり、常に左に首を曲げている。しかし踊り子がいつも左へ傾いた....
赤外線男」より 著者:海野十三
殆んど見えなくなり、右の眼も大変弱っています」 ダリアは黒眼鏡を外して見たが、左眼はまるで茹でたように白くなり、そうでないところは真赤に充血していた。右の眼は....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
るには骨が折れる。 一月八日 ◯去ル五日ニ気ガ附イタコトデアルガ、イツノ間ニカ左眼ガワルクナッテイルノダ。黒点ガ見エ、強イ光デ網膜ガヤケタトキノ感ジガアリ、且....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
だ。見ると、右手の上方に、凄愴な生え際を見せた魔王バリの木彫面が掛っていて、その左眼の瞳が、五分ばかり棒のような形で突き出ている。それを押すと、反対に右の方が持....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
。それからタッタッと追い上った。 「来やアがれ!」と云うと甚太郎、黐棹をしごいて左眼へ来る。タッタッと後へ引き下がり、武士は構えざるを得なかった。 「おい、お侍....
少年探偵長」より 著者:海野十三
た。彼の顔立ちは整っていたが、どうしたわけか、おそろしい刀傷のあとが、額の上から左眼を通り、鼻筋から、唇までに達していた。ものすごい斬り傷であった。しかしその傷....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
て木におおわれた山となって、一番はじに、ぷっくり持ち上った焼岳に終る。焼岳はわが左眼下に、遥かにたたえた濃藍の大正池の岸から、つまみあげられたように、ぷっくり持....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
合掌したまま、沈痛な表情で奥の天人像に向って端座しているのだ。年齢は五十五、六、左眼は失明していて、右眼だけをカッと瞶いている。燈芯のような躯の身長が精々五尺あ....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
心を落著けて腰を下した。彼は一つのひらたい丸い黒い花が、黄橙の心をなして浮き出し左眼の左角から漂うて右に到って消え失せた。続いて一つの明緑花と黒緑色の心と、続い....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
か。しかし、父は中風を患ったとみえて、私のことなどさらさら記憶にもなく、おまけに左眼はつぶれ、右手は凍傷のため反り腕になっていて、両手の指は、醜い癩のようにひし....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
れて……」 「なに、脊を打たれて……」 熊城は莨を捨てて、思わず叫んだ。孔雀は左眼をパチリと神経的に瞬いて、 「よく、オフェリヤの棺と間違えますが、衣裳部屋に....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
としなかったらしい。が、既に右眼の視力を奪われたからには、霜を踏んで堅氷到るで、左眼もまたいつ同じ運命に襲われるかも計り難いのは予期されるので、決して無関心では....
活人形」より 著者:泉鏡花
に照らされたる、人形の瞳は玲瓏と人を射て、右眼、得三の死体を見て瞑するがごとく、左眼泰助を迎えて謝するがごとし。五体の玉は乱刃に砕けず左の肩わずかに微傷の痕あり。 明治二十六(一八九三)年五月....