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「左腕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

左腕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
ども行って、十八番館の煉瓦塀《れんがべい》について曲ろうとしたとき、いきなり僕の左腕《さわん》に、グッと重味がかかった。そしてこの頃ではもう嗅《か》ぎなれた妖気....
空中墳墓」より 著者:海野十三
なくドカンという銃声と共に、ウィンドー・グラスが粉微塵にくだけちった。私はウムと左腕を抑えた。咄嗟に自動車はヘッドライトと共に右へ急角度に曲った。ヘッドライトに....
蠅男」より 著者:海野十三
しむのも無理はない。彼は病院から脱走するのが得意な男でネ」 帆村は肩が痛むので左腕を釣っていた。大きな痛みがやっと鎮まるのを待って、怺えかねたように口を利いた....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
がふたたび屍体の両腕に引かれて行くので、検事は訊かざるを得なくなった。 「ウン、左腕が内側へ曲っているだろう。今に君は、それが非常に重大な点だと云う理由が判るよ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
いて、みるも哀れな死を遂げているのだ。氷海嘯の端に当ったらしく鑢で切ったように、左腕、左膝から下が無残にもなくなっている。折竹は、おのぶサンを呼んで、険しい目で....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
た。 銃声一発! 刑事は蝙蝠のような恰好をして道路上に倒れたが、そのとき刑事の左腕が切断して宙にとぶのが見られた。 貫一は、そのまま走り去った。前夜と同じこ....
地獄の使者」より 著者:海野十三
自分の顔を寄せた。それから手を伸ばして死体の瞼を開き、それからだらりと垂れている左腕を死人の服の上から掴んでみた。それがすむと、いよいよ自分の顔を死人に近づけて....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
交響楽”」 「カズ子さん、入りましょう。その穴の中へ入るのです」 帆村は春部を左腕で抱き、壁穴を中へ飛び越えた。急いであたりを見廻わすと、そこは天井の高い、曲....
人造人間の秘密」より 著者:海野十三
からは、傷口が見えるし……」 「傷?」 私は、そのとき始めて、脈をうつたびに、左腕がずきんずきんと痛むのに気がついた。 「あっ、左腕をやられていたのか」 腕....
火星兵団」より 著者:海野十三
突っぱりに、さすがの怪人丸木もややひるんだものと見え、それまではうごかさなかった左腕を、マントの下からぬうっと出したが、これを見ておどろいたのは、先生だった。 ....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
れて司令部へ出張していたので、以来彼は会わずじまいだった。 「そうだ。俺にはまだ左腕もあれば両脚もあるし、硬い歯の生えている口もあれば、太い頸もあるというんだ。....
流線間諜」より 著者:海野十三
を地面と感じたのか、一向にわからない。 不図見ると、いつの間にして呉れたのか、左腕には白い繃帯が厚く厚く巻いてあった。そして脱げた靴が片っ方だけ転がっていた。....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
少し上の所を、俗に云うお化け結びで緊縛して置いたのだ。それから、その緊縛を右膝と左腕、右腕は左膝と結び付けて、その二本の紐を中央で絡めグイと引緊めたので、浄善は....
決闘場」より 著者:岡本かの子
た。ジョーンの方は人のよさそうな、少し鈍重な感じがする男であった。彼は真中の女に左腕を組まれて居た。金髪は彼の四角い頭を柔かく包んで居た。碧色の瞳は何処と信って....
皇帝の使者」より 著者:カフカフランツ
派遣した。使者はすぐ途についた。力強い、疲れを知らぬ男だ。あるいは右腕、あるいは左腕と前にのばしながら、群集のあいだに自分の道を切り開いていった。抵抗する者がい....