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左袒
「左袒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
左袒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
《お》る金を融通しよう、いろ/\それに付いて貴公に頼む事がある、貴公も私の悪事に
左袒《さたん》して、それを喋って意趣返しをしようということもあるまい、お互いに綺....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
amour-passion の陶酔はまさしく「いき」からの背離である。「いき」に
左袒《さたん》する者は 〔amour-gou^t〕の淡い空気のうちで蕨《わらび》....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
が私的生活をさえ犠牲にしなければならない人格的――倫理的――な規範となる。文化に
左袒すべきである人格は、文明過程の客観化物――経済・法律・更に又国家までも入れて....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
逃避行を企てる他に道が断たれたことをハッキリ自覚している。いやでも夫が文学主義に
左袒しなければならない所以だ。
現在の文芸評論の賑々しさやその哲学らしいものと....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
クなのである。 凡ゆる非合理主義的文学理論に対しては、吾々はモダーニズム文学に
左袒する。だがそれ以上はモダーニズム文学を信用しない。 (一九三四・八) 17....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
うすい政党と知りながら、なお且つ観念的に政党の肩を持つのは、政党の資本家的本質に
左袒して、反資本的革新(?)に対して反対しようというのではなくて、専ら資本家的本....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
か知れない。その意味に於て彼を一の贖罪者と言おうとするなら、われ等も欣んでこれに
左袒する……。 (評釈) 主としてキリスト教を中心としての言説であるが、無論これ....
「霧の中」より 著者:豊島与志雄
。――放っておくがいいんだ。個人主義攻撃の名によって、安価なセンチメンタリズムに
左袒してはいけない。――それから次に、南さんは奉職先の学校当局から注意を受けた時....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
柱を打ち倒すことに数年来つとめている、各国の殊勝な人々の希願と努力とに、心底から
左袒《さたん》する。そして弱小な者ではあるが、喜んで自ら斧《おの》の一撃を加えて....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
用した句の後の方では、セイは利用学説に労働価値説を混えた。だがセイは稀少性学説に
左袒しているようである。スミスは、むしろ幸なことには、土地を労働と同じく富のうち....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
戸の政府と対立して恰も両政府の争なれば、外国人はおのおのその認むるところの政府に
左袒して干渉の端を開くの恐れありしといわんか。外人の眼を以て見るときは、戊辰にお....
「雪の日」より 著者:永井荷風
《うたまろ》が『青楼年中行事』の一画面とを対照するものは、容易にわたくしの解説に
左袒《さたん》するであろう。 わたくしはまた更に為永春水《ためながしゅんすい》....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
献の扱いに慣れた筈の人々までが、その妄想に過ぎざる非再建論に眩惑せられて、これに
左袒し、これを謳歌するもののあるのにむしろ公憤を感じ出した。すなわちさらに関野君....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
しているのである。殊に小寺氏のトーテム説に至っては、あれだけの研究では、にわかに
左袒《さたん》することの出来ぬのは勿論である。 三、獅子頭に角のある理由 こう....
「『唯研ニュース』」より 著者:戸坂潤
関心が大いに高まったようだ。私は「ラモナ」だけしか見ないが、無条件に天然色映画の
左袒者になれると思う。天然色と雖も染料の濃度は着色法が自由なわけだから、多少の誇....