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「左遷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

左遷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
ひとに就いてあまり悪く言えない。銀行員は、あしかけ三年いて呉れた。名古屋の支店へ左遷《させん》されたのである。ことしの年賀状には、百合とかいう女の子の名前とそれ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
しまった。そのお父さんが、金鵄勲章の叙勲にもれたのに不平を言って、柏崎の連隊区に左遷されたのだった。 このお礼さんについてだけはまだ後日談がある。 中学校に....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の瓢にもひと筋の矢が透っていた。 黄衣婦人 唐の柳宗元先生が永州の司馬に左遷される途中、荊門を通過して駅舎に宿ると、その夜の夢に黄衣の一婦人があらわれた....
小田原陣」より 著者:菊池寛
を与える意図は有ったらしい。 尤も徳川方の御用歴史家なんか此の移封を以て一種の左遷と見做し、神君を敬遠したるものとして秀吉に毒づいて居る。安祥以来の三河を離れ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
めに心配して、飛騨の水無神社は思ったより寂しく不便なところにあるが、これは決して左遷の意味ではないから、その辺も誤解のないように半蔵によく伝えくれとの不二麿の話....
続黄梁」より 著者:田中貢太郎
きた。護送の役人はひどく驚いて逃げてしまった。曾はひざまずいて言った。 「わしは左遷せられて往くところだ、何もない、宥してくれ」 盗賊は目をぎらぎらと光らして....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
会的な資格が段々落ちて行くことだ。校長にして見れば、ジットしたままでいて、自然と左遷されていることになる。こうなるとだから入学志願者が学校を造るのではなく、学校....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
建州の梨山廟というのは、もとの宰相|李廻を祀ったのだと伝えられています。李は左遷されて建州の刺史となって、臨川に終りましたが、その死んだ夜に、建安の人たちは....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
だが、この芝居では、そのびっこを免職させてそれを第二幕の酒場の亭主《ていしゅ》に左遷している。そうしてそこではびっこがなんの役にも立たないむしろ目ざわりなうるさ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
氏の万葉集年表に、巻十二(三〇九八)に関する言い伝を参照し、恋人の高安王が伊豫に左遷せられた時の歌だろうかと考えている。 ○ 陸奥の真野の....
開運の鼓」より 著者:国枝史郎
の塾生であった。 しかし喬木風強し矣! 幕府の執政に疑がわれて「寄合い」の身に左遷された。 ちょうどこの時分の事であった。欝勃たる覇気と忿懣とを胸に貯えた麟....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
太子の真如がヒダへ行って千光寺をつくる前に皇太子恒貞親王のムホンに連座してヒダへ左遷された橘末茂がおります。このムホンというのが、また、どうも、これもヒダを相手....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
石ノ上ノ綾麻呂、今、無実無根の讒言を蒙って、平安の都を退下し、国司となって東国に左遷されんとす。………文麻呂いいか? もう一度、返答だ! 文麻呂 はいッ! 綾麻....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
今だに記憶して居る。汽車が白河の関を過ぎた頃から天地が何となく蕭条として、我らは左遷されるのだというような一種の淋しい心持を禁ずることが出来なかった。乗客の中に....
道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
のみならず彼は道鏡の死後直ちに大隅守に栄転している。これが何の貶謫であろう。何の左遷であろう。ここにこの問題に関する事実の真相を明らかにすべき秘鍵が存するのであ....