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「巨人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巨人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
した。動《やや》ともするとおびえて胸の中ですくみそうになる心を励まし励まし彼れは巨人のように威丈高《いたけだか》にのそりのそりと道を歩いた。人々は振返って自然か....
婦系図」より 著者:泉鏡花
我が酒井と主税の姿は、この広小路の二点となって、浅草橋を渡果てると、富貴竈が巨人のごとく、仁丹が城のごとく、相対して角を仕切った、横町へ、斜めに入って、磨硝....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
儀さんも、普通な背たけにしか見えないほどその客という男は大きかった。言葉どおりの巨人だ。頭からすっぽりと頭巾のついた黒っぽい外套を着て、雪まみれになって、口から....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
座の神で、自分の子のツォイスに貶された。 (注一〇) アポローに殺された一つ目の巨人たち。 テイアは光り輝く太陽ヘリオスと太陰セレネを生みぬ、 また曙の神エオス....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
も、「時間」を尊重することに我々は光栄を感ずべきだ。 芸術家もセザンヌくらいの巨人になると、その日課は時計のごとく正確で平凡であった。 ○私は自分の周囲にある....
栃の実」より 著者:泉鏡花
よ。」と声を合わせて、道割の小滝を飛んだ。 私は駕籠の手に確と縋った。 草に巨人の足跡の如き、沓形の峯の平地へ出た。巒々相迫った、かすかな空は、清朗にして、....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
太陽は既に消えて、怪物のような黒い影が東の方から走って来た。その影は、あたかも巨人の素足が砂の上を走り出したようでもあった。寒い風の波は背中へまでも吹き込んで....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
短に、一斉に三叉の戟を構えた瞬間、畳およそ百余畳、海一面に鮮血。 見よ、南海に巨人あり、富士山をその裾に、大島を枕にして、斜めにかかる微妙の姿。青嵐する波の彼....
歯車」より 著者:芥川竜之介
史をひろげ、詩人たちの生涯に目を通した。彼等はいずれも不幸だった。エリザベス朝の巨人たちさえ、――一代の学者だったベン・ジョンソンさえ彼の足の親指の上に羅馬とカ....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
に住む神々ではないかも知れぬ。が、その力量は風貌と共に宛然 Pelion に住む巨人のものである。 が、容赦のないリアリズムを用い尽した後、菊池は人間の心の何....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、ふつう昔の武者修行者の運命にふりかかったものよりも大へんだった。武者修行者は、巨人とか、魔法使とか、火を吹く竜とか、あるいはそれに似たもので簡単に退治できる敵....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
て来た――袖でひしと抱いて、桜を誘う雨ながら、ざっと一しきり降り来る中に、怪しき巨人に襲わるる、森の恐怖にふるえつつも、さめざめと涙を流した、石燈籠が泣くように。…… 昭和七(一九三二)年四月....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
らずや。そのかわり、遠野の里の彼のごとく、婦にこだわるものは余り多からず。折角の巨人、いたずらに、だだあ、がんまの娘を狙うて、鼻の下の長きことその脚のごとくなら....
西航日録」より 著者:井上円了
整列排置し、あたかも人工をもって庭石を敷きたるがごとし。俗説に、古来この地に一大巨人棲居したる遺蹤なりといい、今現にその洞窟なりと伝うる所あり。これをジャイアン....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
るのみ、射撃が万事を決する、精神上の事は最早大問題でないと称し、「現に子供がよく巨人を射殺することが出来る」と述べている。 かくて軍事界は全く形式化し、ある軍....