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巨像
「巨像〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巨像の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
人で、静かな、ある秘密の部屋の中に坐ったのでした。そこは白い紗に蔽われた、一個の
巨像が、森厳そのもののように立っていたのです。その時、青年は突然、師匠に対って、....
「旅愁」より 著者:横光利一
ら成り立った平面のように寒寒とした森厳さを湛えている。
そこの八方にある女神の
巨像はそれぞれおのれの文化の荘重さに、今は満ち足りて静かに下を見降ろし、風雨に年....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
しております、これを作品に例えてみるとちょうど帝展へ、ある彫刻屋が牛車で、達磨の
巨像を担ぎこんだようなものかも知れません。しかし帝展では落選させるからよろしいが....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
なかった。 金色の眼が三つ、手が六本、全身に群青を塗られた真言宗のグロテスクな
巨像の前で、仏前結婚が村人たちとともに飲み明かされた。 私は毎日版木へ墨を塗っ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
翼のミネルヴァの像と相対立せしめんがためかのように、コラントの広場には猫の青銅の
巨像が立っていた。王政復古の正直な警察は、パリーの人民をあまりに「りっぱ」に見た....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
由は一つもない。両派の一方は明らかに誤っているであろう。正義なるものは、ロデスの
巨像のように、片足を共和政の中に入れ、片足を王政の中に入れて同時に両岸にまたがる....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
いわれる。しかし今は何物も遺ってない。棕櫚の木の繁茂の間からラメセス二世の二つの
巨像と手頃なスフィンクスが一つ発掘されただけである。メムフィス創始の年代は半ば伝....
「パルテノン」より 著者:野上豊一郎
、左右と奥が廻廊で、内陣の突きあたりにプ※イディアス作の本尊アテネ・パルテノスの
巨像が立っていた。首と両腕は白象牙で、衣服は黄金で造られてあった。右手にニケ(勝....
「巨像を彫るもの」より 著者:中井正一
巨像を彫るもの 中井正一 これまで、誰でも図書館とは、寂かな、がらんとした庫の....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
劣らぬ美の最もいさぎよきものである。 天平盛期となるとまず東大寺三月堂の乾漆の
巨像|不空羂索観音があり、雄偉深遠で、しかも写実の真義を極めている。写実はすべて....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
なきこの拳銃の影であった。 集える衆の肩背の透に、霊地の口に、自動車が見えて、
巨像の腹の鳴るがごとく、時々、ぐわッぐわッと自己の存在と生活を叫んでいる。 こ....
「三国志」より 著者:吉川英治
ないか」 「無情ぞや、魏王」 しかし曹操は、耳のない人のように、いや涙すらない
巨像のように※河の水のほうを見ていた。 残るわずかな官人――白旗の下に立った者....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
の門を厳として崩さず、一同平常のように、ひそと、執務いたしておれ」 それは何か
巨像が金剛の信を声に発したように二人の耳朶を打った。はっと、額ずいてしまうしか他....