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巨大
「巨大〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巨大の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女体」より 著者:芥川竜之介
《にくし》みも、乃至《ないし》また性欲も忘れて、この象牙《ぞうげ》の山のような、
巨大な乳房《ちぶさ》を見守った。そうして、驚嘆の余り、寝床の汗臭い匂《におい》も....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
靄《もや》の上に、※※《さんがん》たる肌《はだ》を曝《さら》していた。しかもその
巨大な山々の峰は、すでに朝日の光を受けて、まるで彼を見下しながら、声もなく昨夜《....
「或る女」より 著者:有島武郎
き渡りながら、田川夫妻の万歳をもう一度繰り返した。若者を桟橋に連れて行った、かの
巨大な船員は、大きな体躯《たいく》を猿《ましら》のように軽くもてあつかって、音も....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
る。けれども、以前見覚えた、両眼《りょうがん》真黄色《まっきいろ》な絵具の光る、
巨大な蜈※《むかで》が、赤黒い雲の如く渦《うず》を巻いた真中に、俵藤太《たわらと....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
正しい概念が得られたに相違ない。恒星をちりばめた天球はどうかというと、これもまた
巨大な中空の球であって同じ中心火のまわりを回っているものと考えられた。その上にま....
「河口湖」より 著者:伊藤左千夫
うと見える瓠なりな小島の北岸へ舟をつけた。瓠の頭は東にむいている。そのでっぱなに
巨大な松が七、八本、あるいは立ち、あるいは這うている。もちろん千年の色を誇ってい....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
のに、出来ることなら小さな鯨と言いたかった。大鮪か、鮫、鱶でないと、ちょっとその
巨大さと凄じさが、真に迫らない気がする。――ほかに鮟鱇がある、それだと、ただその....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
と、水面に近く、颯と黄薔薇のあおりを打った。その大さ、大洋の只中に計り知れぬが、
巨大なる※の浮いたので、近々と嘲けるような黄色な目、二丈にも余る青い口で、ニヤリ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
環海ビルジング――帯暗|白堊、五階建の、ちょうど、昇って三階目、空に聳えた滑かに
巨大なる巌を、みしと切組んだようで、芬と湿りを帯びた階段を、その上へなお攀上ろう....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
た。真っ赤な夕日に映ずる彼の黒いからだと、まっすぐに開いた彼の両手とは、さながら
巨大なる十字架のように見えた。 ある日、いつものように夕日を追って行ったままで....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
すべて自分の勝手で、そこはまことに便利でございます。 と見ると、水辺の、とある
巨大な巌の上には六十|前後と見ゆる、一人の老人が、佇んで私達の来るのを待って居り....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
水をわたる足音が、イカバッドの鋭い耳にきこえた。川のふちの、森の暗い影に、なにか
巨大な、奇態な形をした、黒いものがそそり立っていた。それは動かなかった。暗闇のな....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
化してしまった東京市を復興するについて、早速、臨時議会が召集され、そして六億近い
巨大なる復興予算が議員たちによって可決されたばかりか、さらに大蔵省は市民に対して....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
って、アメリカ式にやろうと思ってね。」 そしてそのアメリカ式の大経営が、いかに
巨大なる利益のあるものであるか。また、そこの従業員や農耕者の雇入れ……いずれ移民....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
それ、力士連が来た、なお気丈夫じゃあないか。」 と、図に乗っていった。が、この
巨大なる躯は、威すものにも陰気を浴せた。それら天井を貫く影は、すっくと電燈を黒く....