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巨巌
「巨巌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巨巌の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
慈川《くじがわ》のとある渡船場《わたしば》付近では、見上ぐる前方の絶壁の上から、
巨巌大石《きょがんだいせき》の夥《おびただ》しく河岸に墜落しているのを見る。この....
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
つ》まってくる。あの空とあの雲の間が海で、浪の噛《か》む切立《きった》ち岩の上に
巨巌《きょがん》を刻んで地から生えた様なのが夜鴉の城であると、ウィリアムは見えぬ....
「夢十夜」より 著者:夏目漱石
無念になる。非常に口惜《くや》しくなる。涙がほろほろ出る。ひと思《おもい》に身を
巨巌《おおいわ》の上にぶつけて、骨も肉もめちゃめちゃに砕《くだ》いてしまいたくな....
「わが町」より 著者:織田作之助
てなお工事の見込みが立たぬいいわけめいて、 「……山腹は頗る傾斜が急で、おまけに
巨巌はわだかまり、大樹が茂って、時には数百メートルも下って工事の基礎地点を発見し....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
然と立っていたが、やがてあたかも夢遊病者のように「洞窟の国」を彷徨い出した。と、
巨巌の前へ出た。何気なく見ると鉄の扉が、巌の一所に箝められてある。 手を延ばし....
「観画談」より 著者:幸田露伴
また或時は右が迫って来たり左が迫って来たり、時に両方が迫って来て、一水|遥に遠く
巨巌の下に白泡を立てて沸り流れたりした。或|場処は路が対岸に移るようになっている....
「美女を盗む鬼神」より 著者:田中貢太郎
処を、彼が常に覆いかくすのを見ると、そこから刃が通るらしい」 と言い、また傍の
巨巌を指して、 「これは鬼神の食物を斂める処である、酒を花の下に置き、犬をそここ....
「獏鸚」より 著者:海野十三
たびとなく専門家の手で、ダイヤルを廻されたり、構造を調べられたりしたが、大金庫は
巨巌のようにびくりともしなかった。 そのうちにも、暁団の捜査が続けられたが、彼....
「古狢」より 著者:泉鏡花
だったろう。何しろ真夜半だ。厠へ行くのに、裏階子を下りると、これが、頑丈な事は、
巨巌を斫開いたようです。下りると、片側に座敷が五つばかり並んで、向うの端だけ客が....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
外、温泉の若主人塩谷忠氏、画家吉積長春氏加わりて、層雲峡を溯る。峰上に奇巌多し。
巨巌の上部に小巌立ちて、あたかも人の子供を負えるが如きもあり。人の立てるが如きも....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ボ港、アラビア・アデン港におけるがごとし。この地、黒奴多く居住す。その港口に一大
巨巌の波心に突起せるあり。わが小笠原父島の港口に似たり。これを鳥巌と名づく。けだ....
「わが町」より 著者:織田作之助
果してなお工事の見込みが立たぬいいわけめいて、 「山腹は頗る傾斜が急で、おまけに
巨巌はわだかまり、大樹が茂って、時には数百|米も下って工事の基礎地点を発見しなけ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
切って向うの岩蔭に雪白の翼をちらと覗かす。雪田はいつか又私達を狭い山脊に導いた、
巨巌の上を躋って間もなく岩を敷き詰めた些やかな平らに出る、そしてそこに見覚えのあ....