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巨木
「巨木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巨木の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球盗難」より 著者:海野十三
には、甲虫がウンといるぜ」 武夫はチラリとお美代の方に目配せすると、サイカチの
巨木にヒラリと飛びついた。そしてスルスルと幹を攀じのぼっていった。やがて武夫の姿....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
樹葉の辺りまで伸びている。また、その葉陰に倨然とわだかまっている、大|蛸のような
巨木の根。そのうえ、無数に垂れさがっている気根寄生木は、柵のようにからまり、瘤の....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
く》を探しあてると、一気にそれへまい下ったのであった。 新月号が火星のふしぎな
巨木《きょぼく》の林を横にながめながら、まっ白い砂漠の上に砂煙をうしろへまきあげ....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
、自分の全重量のざっと二百倍もの水分を土のなかから吸収するといわれているが、この
巨木が六千年の間昼夜をすてず、大地のなかから吸い上げた養いが、どれほど大きなもの....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
九 「……太夫様……太夫様。」 偶と紫玉は、宵闇の森の下道で真暗な大樹
巨木の梢を仰いだ。……思い掛けず空から呼掛けたように聞えたのである。 「ちょっと....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
をした一人の武士が、飛騨の峠路を辿っていた。 ほかならぬ宮川|茅野雄であった。
巨木が鬱々と繁っていて、峠の路は薄暗く、山蛭などが落ちて来て、気味の悪さも一通り....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
女が、こんな寂しい森の奥に、一人で住んでいるのだろう? まったく寂しい森である。
巨木が矗々と聳えている。枝葉がこんもりと繁っている。非常に大きな苔むした岩や、自....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
めて額へ受けたことがある。昨日のように思われるが、やはり一年の昔だった」 松の
巨木が聳えている、幹に月光が斑を置いていた。 その幹へ萩野は寄りかかったが、袂....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
にそうだ。 周囲三里はあるであろうか、そういう広大な地域を巡って、石垣と土牆と
巨木とで、自然の城壁をなしている(さよう将に城壁なのである)その中に無数の家々が....
「フシギな女」より 著者:坂口安吾
すね。なるほど、この島の雨量は日本一です。その物すごい雨量のおかげで全山神代杉の
巨木が密林をなしているそうだ。しかしスリバチを伏せたような島にダムを造るとは、こ....
「多神教」より 著者:泉鏡花
くしき俤に窶れの色見ゆ。素足草履穿にて、その淡き姿を顕わし、静に出でて、就中杉の
巨木の幹に凭りつつ――間。――小児らの中に出づ)まあ、いいお児ね、媛神様のお庭の....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のよいところに建っていた。木のおいしげった丘のふもとで、近くを小川が流れ、白樺の
巨木がその片端に立っていた。眠けを誘う夏の日には、生徒たちの課業を勉強する声が、....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
売も誰知らないものはない。 深秘な山には、谷を隔てて、見えつつ近づくべからざる
巨木名花があると聞く。……いずれ、佐保姫の妙なる袖の影であろう。 花の蜃気楼だ....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
。近きにお祭があるというので、軒提灯を吊して美しく飾っていた。 形|面白き柳の
巨木の、水に臨んで、幾株か並んでいる広い河原、そこに架けたる手摺なき長い橋を渡る....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
ていない階下は窓が閉じられて薄暗く、鬼気さえ感じられる。床板は頑丈な木材を用い、
巨木を思わせる柱の幾本かが、さながら城の内部を連想させるように突き立っている。右....