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「巨細〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巨細の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
の職業を推察し得なかった数人の人たちの仲間に倉地がはいって始め出した秘密な仕事の巨細《こさい》をもらした。正井が葉子を脅かすために、その話には誇張が加えられてい....
小作人への告別」より 著者:有島武郎
の任務をはずかしめるような人ではないと信じますから一言します。 けれどもこれら巨細にわたった施設に関しては、札幌農科大学経済部に依頼し、具体案を作製してもらう....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
とく、腹の底から絞り出したようなうめき声を発して、じっと廊下先の障子を一本一本|巨細《こさい》に見まわしていましたが、と――果然、その痕跡《こんせき》があった。....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
を命じておくと、なにより香箱の行くえをと、右門はただちに仕掛けの壁をあけるべく、巨細《こさい》にその構造を点検いたしました。 と――その目に映ったものは、床柱....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
つけるべく、三十七人の町内の者について、当の本人である糸屋の若主人の素姓身がらを巨細《こさい》に洗いたてました。 しかるに、頭数だけでも三十七人あるんだから、....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
しては、少し造りが豪気に大きすぎたものでしたから、鋭く目を光らしながら近づいて、巨細《こさい》にあたりを調べあげると、はからずも右門の胸により以上の不審を打たれ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
事件が降ってわいたそのあとに、右の将棋の駒がおっこちていたというのでありました。巨細《こさい》によく調べてみると、まず第一に目についたものは、相当使い古したもの....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
胴を作らせたが、その面には自然に白い鴿があらわれていて、羽から足の爪に至るまで、巨細ことごとく備わっているのも不思議であった。ただ、職人が少しの手あやまちで、厚....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
様は陰弁慶だ。」 と罪もなくけなしし、また板敷に伸上りて、裏庭より勝手などを、巨細に見て座に就きつ。 「それはね、芳さん、こうなのよ。」 という声もハヤふる....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
人にしてこの病ありで、この一癖が馬琴の鼎の軽重を問わしめる。 馬琴の人物行状の巨細を知るにはかれの生活記録たる日記がある。この日記はイツ頃から附け初めイツ頃で....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
にし根柢を固くしたのはモーズレーの著述であった。殊にそのは最も熱心に反覆翫味して巨細に研究した。この時分の二葉亭の議論の最後の審判官は何時でもモーズレーであって....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
物を朝廷に送るに干渉すべき道理はないはずであるが、彼はなおかつて藤原基経が、万機巨細皆太政大臣に関白して、しかして後に奏下せよとの詔を受けて、天皇と臣民との間に....
道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
平気でいられたものであろう。否彼がさきに法王の位におり、服飾供御天子に准じて、政巨細となく決をこれに取るという様に、諸大臣の上に立って傲然と政治を見ているをえた....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
を愛しつつ禅定を修めて、直ちに即身|成仏することが出来るのであるという。 その巨細な事については風俗を害する恐れもあり、また余り猥褻にして大方の人に知らすこと....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
ある。したがって彼此重複するところの少からぬは、自ら遺憾とするところではあるが、巨細にわたって研究を徹底せしめる為には、けだしやむをえぬ事と大目に見られたい。本....