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巨躯
「巨躯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巨躯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒の追憶」より 著者:太宰治
ある。そうして、彼がそのチャンポンをやって、「どれ、小便をして来よう。」と言って
巨躯《きょく》をゆさぶって立ち上り、その小山の如きうしろ姿を横目で見て、ほとんど....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
しかったのは、米国のスカアル選手のダグラスさん、六尺八寸はあろうと思われる長身|
巨躯《きょく》が軽々と、左手にスカアル、右手に、美しい奥さんを抱《だ》いて、艇庫....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
で転っている。駈けつけて、戸惑って、だが直ぐ頭の白い繃帯を目標に、二十貫の主任の
巨躯が、そっちへガウンとぶつかっていった。 「怪我人」は直ぐに捕えられた。手錠を....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
喜太郎氏であったればこそ始めて出来たのであると云っても過言ではあるまい。頑健なる
巨躯、鉄の如き神経、不屈|不撓の意志、それらのものが完全に兇悪なる支倉を屈服せし....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
いやにしつこく挑んで来るので着物を脱いで庭先に飛び降り、突きかかって来る才兵衛の
巨躯を右に泳がせ左に泳がせ、自由自在にあやつれば、才兵衛次第に目まいがして来て庭....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
を思い出させるものがある。 最初の出合いで電光のごときベーアの一撃にカルネラの
巨躯がよろめいた。しかし第三回あたりからは、自分の予想に反して、ベーアはだいたい....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
もであった。そして彼は次第に食慾を減じ、女人をして惚々させないではいない有名なる
巨躯紅肉が棒鱈のように乾枯らびて行くように感ぜられるに至ったので、遂に彼は一大決....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
にをしおった?」と、居間から旦那様の叫喚! つづいて廊下をずしんずしんと旦那様の
巨躯がこっちへ転がってくる気配がした。反対の方からは、雇人の一隊が、それというの....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
秒ののちには、記念祝賀会場たるネオ極楽広場の人混みの中に立っていた。 梁首席の
巨躯が、壇上に現れた。 われわれは一せいに手をあげた。 「本日の記念日に際し、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
よしの与八さんが来たよ」 腰から下に、子供たちが群がったところを見ると、与八の
巨躯《きょく》が、雲際《うんさい》はるかに聳《そび》えているもののようです。 「....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
図をながめている駒井甚三郎に向って、田山白雲は、室の一隅の長椅子に寝そべるように
巨躯《きょく》を横たえて、磊落《らいらく》な会話を投げかけている―― 「駒井さん....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
二月ほどまえ、三月十七日の夜のことだったのである。 それなり、バルザックに似た
巨躯は、地上から消失してしまい、あの豊かな胸声に、再び接する機会はないように思わ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
下の珍事だア。ええ、何とかしてくれ、これじゃア警保局の面目は丸潰れだ」
総監は
巨躯を屈《か》がめ、一分刈の丸い顱頂の上を暴風が吹き過ぎるのを待っていたが、大体....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
うにいえなかった。 「お、つ、ね。――」 裏返しにされた亀の子のように、歌麿の
巨躯は、床の上でじたばたするばかりだった。 「大変ですよ。お師匠さんが大変ですよ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
起した。 膃肭獣の成牡(ブル)、年齢八、九歳、体重八十貫、牡牛のごとき黒褐色の
巨躯、 ハーレムの王である。 うわおう。 再び彼は咆哮した。 堂々たるそ....