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差し付け
「差し付け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
差し付けの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
てしまった。 「これは困った。又蔵、燈火《あかり》を見せてくれ」 中間の提灯を
差し付けさせて、平助は堤の裾にしゃがんで草履の緒を立てていた。どうにかこうにかつ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
りに昏倒した。 忽ち混乱が湧き起こった。一人の老人が花嫁を抱いた。無数の提灯が
差し付けられた。 その時、花嫁の綿帽子が取られた。 そこには花嫁の顔はなく、....
「斜坑」より 著者:夢野久作
、その中でも最前から何くれとなく世話を焼いていた仕繰夫の源次が、特別に執拗く盃を
差し付けたので、元来がイケナイ性質の福太郎は逃げるのに困ってしまった。 「おらあ....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
喰べずに、男の様子をまじまじと見ていた。それから、やがて小さな書物を男の眼の前に
差し付けて、顔をずっと近付けながら、何かひそひそと話していたようであったが、紫色....
「一足お先に」より 著者:夢野久作
たので、私は又、大急ぎでその方へ匍い寄って行って、残りの薬液の大部分を綿に浸して
差し付けた。そうしてその看護婦がグッタリと仰向けに引っくり返ったなりに動かなくな....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
急に立ち止まって振り返った。 「おお権九、ここを見るがいい」 云いながら松明を
差し付けた。 氷雪に蔽われた絶壁の面に明瞭りそれとは解らないけれど、どうやら鑿....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
きの下へ来て、前足ですすきの根をかきながら又しきりに吠えた。急いで近寄って提灯を
差し付けると、そこにも一つの穴があって、その穴から一人の大男があたかも這い上がっ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
った釣り手の背後――釣り手の角の背後にいるのであった。 その方へグッと切っ先を
差し付け、頼母は大息を吐いた。 さよう、左門はその位置に、片膝を敷き、片膝を立....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
に小さく見えた。 おおよそ六尺の間隔を保ち、互いに切先を相手の眉間へ、ピタリと
差し付けて構えたまま、容易に動こうとはしなかった。 道具を着けず木刀にての試合....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
歩きをして、門扉から離れて往来へ出た。と、その鼻先へすさまじく光る、抜き身の先が
差し付けられた。
二品を持たれて逃げられた日には、一大事であると焦慮され....
「穴」より 著者:岡本綺堂
きの下へ来て、前足ですすきの根をかきながら又しきりに吠えた。急いで近寄って提灯を
差し付けると、そこにも一つの穴があって、その穴から一人の大男があたかも這い上がっ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
してしまわにゃならねえじゃねえか。鶴亀鶴亀、たのむぜ圓朝さん」 笑顔でお銚子を
差し付けた。 ヘイとお辞儀しながら飲みのこしの冷えたやつをグイと干して、 「い....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
からこれを読んでみてくれたまえ」 こう言って小田刑事が、ポケットから取りだして
差し付けた答申書を、俊夫君は数分の間熱心に読み、読み終わるなりじっと考えていまし....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
が、甘いものもやるよ。」 「じゃあどうぞ、お砂糖をどっさり。」と技手君が砂糖壺を
差し付けた。 「ありがとう、いただきますよ。それじゃミルクをもう一杯。」 これ....