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差し覗く
「差し覗く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
差し覗くの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
ている父の顔の傍へ、幸子はより縋るようにして泣いた。母も泣いた。若者は白木の蓋で
差し覗く顔を追い払うように閉め出して金槌で蓋に釘を打ちつけた。間もなく、玄関から....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
、 「おお」と思わず声を洩らした。「どうだ源兵衛これを見い!」 「はっ」と云って
差し覗くと、思わずこれも「うむ」と唸った。矢は五本ながら中ってはいないが、しかし....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
然も心あるもののごとく、橋に沿うて行きつ戻りつする。さしたての潮が澄んでいるから
差し覗くとよく分かった――幼児の拳ほどで、ふわふわと泡を束ねた形。取り留めのなさ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
え、武蔵?」 「……」 「武蔵とは、あの宮本武蔵のことか」 驚いて清十郎が顔を
差し覗くと、朱実はもう答えもせぬ。青い瞼は昏々と眠っているのである。 ハラハラ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
外へ出ると、今度は硝子窓を開けて、内からさも映してもらいたそうに赤いにこにこ面で
差し覗くのだ。 イワンの顔も出た。 ナタアシャの顔も出た。 「なあんだ、じゃ....