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「差向き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

差向きの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
輝かして妻をじっと見つめていたが、やがてふと思いついたように、 「そうだ。お前も差向き何かと不自由であろう。今わしは八十円程金を持っている。署長さんの手許に保管....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
様です」 幸「それでは柳島の私の別荘からは近い…就てはお目にかゝったのを幸い、差向き客火鉢を二十に煙草盆を五六対拵えてもらいたいのですが、尤も桐でも桑でもかま....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
うでえ、よく茹りやがッたなァ」 「てめえだってそうじゃねえか。これで肥ってりゃァ差向き金時の火事見めえて柄だけどなァ――」 「金時なら強そうでいいや」 「へん、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ょう》願うような心は起さぬ。竜之助の心には、充分の我慢が根を張っているけれども、差向き今の身に宿を貸してくれるところは、神社仏閣の廂《ひさし》の下のほかにはあり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
がら、まだ容易に帰る様子もありません。また、神尾としてもいま、お吉に出られては、差向きこまるから、かわりのあるまでと、無理に引留めてはいるらしい。 神尾をこう....
ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
った。その奥の奥に川の源があるのであるが、そういう落葉がくれの水、苔の水の趣味は差向きここに要求しなかった。 けれども、この細くなって西北の方に消えている川が....
リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
便りを書こうとしたが、ただ独逸にいる一人の友に絵ハガキ一枚書いたに過ぎなかった。差向き僕らは体の疲を休めようと欲してサロンを辞した。そして廊下で一人の女中に通り....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
る。 さて、上の句の訓はいろいろあるが、皆あまりむずかしくて私の心に遠いので、差向き真淵訓に従った。真淵は、「円(圓)」を「国(國)」だとし、古兄※宿禰に伝へ....
雪の宿り」より 著者:神西清
らこっち、この谷奥の庵に住んでいる。真蘂和尚と一緒だよ。地獄谷に真蘂とは、これは差向き落首の種になりそうな。あの狸和尚、一思いに火の中へとは考えたが、やっぱり肩....