»
差引
「差引〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
差引の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ら買入代金が下ってもそれは一応事務所にまとまって下るのだ。その中から小作料だけを
差引いて小作人に渡すのだから、農場としては小作料を回収する上にこれほど便利な事は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の武士からは五十両の金をうけとっている。その上にかの仮面を百五十両に売り込めば、
差引き百両の儲けは見られる。この能役者に売ったのでは、丸取りにしても二十五両にし....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
んが、大町小店で相当に流行る店だったそうです。式のごとくに女衒の判代や身付の代を
差引かれましたが、残った金を医者のところへ持って行って、宜しくおねがい申しますと....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
九二二年には、 出産数………759,846 死亡数………689,267
差引…… 70,579 であるが、前二カ年には、この
差引が、 192....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
のかわりに、同じような別の油絵が額縁の中にはいっているんだから、ここの主人公は、
差引き大した損をしていないのだと思っているようにも思われた。これでは、伯爵が生命....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
しょ。あれは――近郷での、かくれ里。めった、人の目につかんでしゅから、山根の潮の
差引きに、隠れたり、出たりして、凸凹凸凹凸凹と、累って敷く礁を削り廻しに、漁師が....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
れから、この列車の憲兵と車掌も、彼に対し幾分|疑惑を持っているのだ。 これらを
差引きして考えると、彼が仏天青であることの方が、そうでないことよりも、有力である....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
と咽喉をごくごくさして、口を開けるで、さあ、飲まっせえ、と注ぎにかかる、と幾干か
差引くか、と念を推したげで、のう、ここらは確でござりました。 幡随院長兵衛じゃ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
どへ夏季の出店をする。いやどこも不景気で、大したほまちにはならないそうだけれど、
差引一ぱいに行けば、家族が、一夏避暑をする儲けがある。梅水は富士の裾野――御殿場....
「マレー俳優の死」より 著者:岡本綺堂
作った。自分は英国から二万四千弗の年金を受けているので、それで生活に不足はない。
差引き三十万弗だけは自分の死ぬまで手を着けずに大事にしまっておいて、いよいよ死ぬ....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
|家の大事と。 「どうか少しも早く御立退きを願いまする。お預かりの百両は、宿賃を
差引いてお返し致しまするで、や、どうかそうなさった方がお互いの身の為。死んだ尼さ....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
」 石膏屋のおかみさんが歯朶子に教えて呉れた。おかみさんは歯朶子に払う助手料を
差引く代りに石膏置場の小屋を少し綺麗に掃除して呉れた。 「そうねえ。すこし塩をつ....
「五色蟹」より 著者:岡本綺堂
のであるが、その代りに隣り座敷には若い女の群れが泊まりあわせている。これで幾らか
差引きが付いたと、本多は用もないのに時々縁側に出て、障子をあけ放した隣り座敷を覗....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
で腰の立たぬ父親とを貢いでいるのがあった。 八 少なからぬ借金で
差引かれるのが多いのに、稼高の中から渡される小遣は髪結の祝儀にも足りない、ところ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
い、東京へ帰る時にもまた相当のみやげ物を買って来なければならない。それやこれやを
差引くと、本人の手に残るところは精々その半額にも足りないくらいだろう。それを考え....